メンバー:レイ(記)、マッソー
日時:2014年7月20〜21日
◯7月20日
廻り目平〜
あみだ岩・ロトシックス〜その先のあみだくじをカンニング
親指岩・小川山レイバック、クレイジージャム見学のみ
お殿様岩・予期せぬプレゼント
〜廻り目平
◯7月21日
廻り目平〜
小川山レイバック
あみだ岩・ロトシックス〜あみだくじルート
最高ルーフ試登(2P目まで)
ファンファンファン〜最高ルーフの岩頂上
〜廻り目平
【7月20日】
あみだ岩へは、くじら岩のほうから行き、最高ルーフの岩峰を超え、お殿様岩の手前の道を登って行くと突き当たる。
昼過ぎからは雨が降り出すだろうとのことだったので、なんとか降りだすまでにあみだくじルートを登りきろうと取り付いた。
●あみだくじルート/ロトシックス
・1P目 ロトシックス (マッソー)
スラブ。ハンガーボルトが左上の方に向かって打ってあるが、そのとおりに行こうとすると、なかなか手強い。そこで、登りやすいように右から右から・・・と登ると正規ルートにもどるのが困難になり、とりあえず誰も登っていないボロボロの岩場を上の信頼できる木まで登ってそこから終了点と思しき木まで懸垂。セカンドでは正規ルートに忠実に行ってみることに。1ピン目からかなり上部に2ピン目があるが、その直前のフレークに向かうトラバースは足がほぼ無く、薄いカチだけが頼りで緊張する。少しハングした部分を乗越すと、その上にはバランシーなマントルが待ち受ける。
・2P目 ロトシックスの続き (レイ)
終了点と思しき木から少し左上に登ると、つかみやすいフレークがあり、その上にはまたスラブが待ち受ける。ここは下のスラブよりはマシだ。この上にバンドがあり、木には立派なリングが掛かっていた。これが終了点だったのか。
ここからあみだくじのように左にトラバースして登るんだろうなぁと先を偵察していると、雨が降り出したので、この日のマルチは断念。ここから懸垂して降りた。
一度、廻り目平に戻り、シングルロープを持って親指岩へ。初めて目にしたクレイジージャムは圧巻だった。いつかは登りたいと思い、クレイジージャムの裏側の、小川山レイバックへ向かった。ところが大人気で10人ほどの人がおり、「気にせず間をぬってに登ってくれて良いですよ」と優しい言葉をいただいたものの、明日の朝一で来ようということで、お殿様岩の予期せぬプレゼントへ向った。
親指岩から直接お殿様岩を目指したが、道がわかりづらく、登りすぎてしまってホトケ岩の方に行ってしまい、たどり着くまでにかなりの時間がかかった。
●予期せぬプレゼント
落ちたら死んじゃうところをフィックスロープだよりに登り、でかいチョックストーンでできたようなビレイ点へ。
クラックに入り込むところが思い切りが必要だが、入ってしまえばあとはうまく挟まれながら、よじ登るのみ。今回持っていた大きいカムは、5番が1つだけだったので、これでどこまでいけるかと頑張ったが、さすがに厳しく、しかも途中で本降りの雨にやられたので、例の如くカムを掴みながら下降した。次回は5,6番2セットとともに挑みたい。
以前の山河微笑最終ピッチの反省から、
・足首のサポートとしてテーピング&100均の足首冷え防止ソックスを巻く
・クラックにギアが引っかからないように、立派なギアラックは使わず、必要なギアだけを吊り下げたスリングを肩にかけて登る
という改良をしたところ、これらはなかなか有効だった。
廻り目平に戻った後は、
金峰山荘で入浴→買い出し→酒→晩御飯
と着実にこなし、7時には就寝してしまった。
【7月21日】
天候は晴れ。
●小川山レイバック
6時に廻り目平を出発し、親指岩へ一番乗り。
クラックにはハンドジャムが決まり、レイバックしたり、フットジャムしたりで登る。なるほど、人気の理由がわかった気がする。
二人とも一便で登り、あみだ岩へ。
●あみだ岩・あみだくじルート(8:00〜11:00頃)
・1P目 ロトシックス (レイ)
前日の偵察通り、終了点目指して登る。やはりスラブとマントルは緊張した。
・2P目 (マッソー)
左にトラバースしてから、クラックを登る。ルートファインディングがなかなかおもしろい。終了点につくと、下部岩壁の頂上だった。あと1ピッチあると思ったのだが。。
・懸垂
上部岩壁の基部へ、5mほど懸垂。木々が生い茂り、ギアと体がひっかかって痛かった。
・3P目 (レイ)
クラック。プロテクションはよく決まるので、思い切ってグイグイ上がれる。頂上に抜けた時は廻り目平、屋根岩、お殿様岩などがよく見えて爽快だった。上の方は浮石が多いので注意。
屋根岩2峰にはセレクションを登るパーティも見えた。
最終ピッチを懸垂後は横のルンゼを歩いて下った。
帰り道に最高ルーフがあるということで、最高ルーフを見物に行くこととした。
●最高ルーフ(2P目まで:11:30〜13:00)
・1P目 (マッソー)
出だしのスラブが苔むしている上に、乾いておらずかなり登りにくい。どこが最高や!といいながら登る。とりあえずクラックに沿って左斜め上に登っていけば終了点。
・2P目 (レイ)
ビレイ点から少し上に上がり、左斜め上に登っていけば終了点。
最高ルーフはこんな感じ。面白そう。
いつかは登りに来るぞ!と決意し、下まで懸垂。
隣にファン・ファン・ファンという5.10bのルートがあるので、それを登ることに。
●ファン・ファン・ファン (13:30〜15:30)
・1P目 (レイ)
はじめは最高ルーフと同じで、例の苔むして濡れたスラブをまたヒヤヒヤしながら登ったのち、最高ルーフの方向に行く前にクラックを直上する。
この上にボルトが打たれており、そのすぐ下にはこれをつかめと言わんばかりのカチが横一列に並ぶ。掴んでみたのはよいが、足が全くなく、先がわからなくなってテンション。これらのカチは足なのだろうか、左側のクラックを登るのだろうかなどと色々迷った挙句、やはりこのカチをつかんで右にトラバースしていくことを決心。カチをつかんで足のないトラバースを続けたところ、ガバカチに辿り着き、薄い足のスタンスに乗り上がる。ここから少し登ると終了点があった。このピッチが10bなのだが、こういうのをオンサイトできるようになりたいと感じた。
・2P目 (マッソー)
“それらしい”クラックが終了点のすぐ左上から伸びている。しかし、そのクラックの下部にはコケが詰まっていたり、植物が生えており、ジャミングの邪魔をする。とはいえ、登れそうなのは、そのクラックくらいなので、とりあえずカムを決めてスリングをかけ、それに乗っかって登る。A0を2回繰り返した上は、一応登れるクラックとなっていた。終了点は木にスリングをかけて自作。
・3P目 (レイ)
百岩場によると、スクイーズチムニーになってるはずなのだが、そんなものは無かった。2P目を間違えたのだろうか。パッと見て登れそうなのは、草木の生い茂るジャングルのみ。結局そのジャングルを登ると、木にスリングとカラビナの掛かった終了点らしき箇所に出くわした。しかしまだ上がありそうなので、いっそのこと上まで行ってしまえと思い、更に登ると最高ルーフの終了点に辿り着いた。
他の記録を読むと、左にトラバースすると、チムニーがあるらしい。しかし、枯れたコケコケの岩場で全く人の通った跡が感じられず、そんな気にはならなかった。
最高ルーフの終了点からは懸垂1本で地上へ。
今回の山行の全体の課題としては、ルートファインディングだと感じた。
初めてのルートでどこを行けば良いのか釈然としない場合は、こっちで良いのだろうかなどと迷いながら登るために、クライミングのグレード自体が簡単であっても、思っている以上に時間がかかる。
登る前にしっかりと情報を集めることはもちろんであるが、現場でもトポなどを見ながら迅速に判断を下せるようになりたい。これができるようになるには、より経験を積むしかないような気がする。