2014/8/6(水)~8(金) 前夜発2泊3日
メンバー:ザイアン CL (記)、O(会員外・無所属)
毎年通う屏風岩。気付けば足かけ4年、5回目だ。
来る度に雨に追い返され、もはや夏の恒例行事と化している感もある。
さすがに今回こそは登りたい。3度目の正直ならぬ5度目の正直である。今度だめなら心が折れかねない。
8/6(水)
5:30 夜行バスで上高地着
生憎の曇天で河童橋からは穂高の稜線も見えず。
とにかく歩みを進める。
徳沢についたころから雨が降り出す。
7:45 横尾
雨が・・・。結構降っている。
天気予報では下山しなければならない明後日まですべて雨。
どうしようか、と相談しながら雨宿りすること小一時間、小降りになってきた。
ここまで来たし、ベース方式で行く選択肢はなくラッシュ以外は嫌なので、とりあえず行くしかないでしょ。ダメなら降りてくればいい。いつものことだ。
渡渉は太ももまでしか水量がなく、容易に岩小屋から最短距離で渡れた。
水量が多いと下流まで河原を歩かなければならないので一安心。
1ルンゼの押出を詰めるころには晴れ間も見えてきた。この時、「行けるかもしれない!」と初めて思う。
実は殆ど諦めていたのです・・・。
10:30 T4尾根取付き
出だしが思ったより濡れていて悪かったがいつも通りのT4尾根を登る。
ニッコウキスゲはもう終わってしまったらしい。
12:00 T4
やっぱり雨。また降ってくる。もう慣れっこなので、小降りになったら登る、というスタイルで行こう。
1P目 5.7 50m Oリード
見栄えがして、登りごたえのある長いピッチ。
O氏粘るも核心のハングではズルして突破。出発時から気になっていたが、
軽量化という概念の無いO氏の荷物は軽く20Kgオーバー。そんなに重い荷物を背負ってフリーで行けるはずがないでしょう。
フォローで登っても荷物を背負うとかなり辛い。50mって結構長いのです。
2P目 5.8 25m ザイアンリード
虹を眺めて雨をやり過ごし、登りだす。
出だしがやっぱり難しい。何度かトライしたが、確実に落ちずに行ける気がせず、
空身なら・・・とか意味不明な言い訳をしながらA0。出だしから直上は5.10+位のムーブだと思う。
A0すれば右上のガバが取れ簡単に乗りあがれる。
あとは掛りのいいカチなので、濡れを拭いながら行けば問題ない。
今日中に上まで抜けるのは無理なので扇岩テラスでビバーク決定。
夕飯時に雨が降らなかったのはありがたい。
夜半からは断続的に降ったが、足が濡れた程度で快適?に過ごせた。
8/7(木)
6:30 登攀再開
3P目 A1 25m Oリード
雲稜ルートで最も技術的に容易な人工ピッチ。
しかし、支点には注意して慎重に。
フリーでの突破は3秒で諦められます。
4P目 A1 IV 20m ザイアンリード
ここもボロボロな壁を見て5秒でフリーを諦めバンドまで人工。
よく言われる、高度感へのビビりはなかった。(下を見るゆとりを持った心がなかっただけ)
5P目 III 10m Oリード
ロープの流れをよくするため、東壁ルンゼへ回り込む。
6P目 5.7 30m ザイアンリード
スラブ~濡れたクラックを登り、またスラブ。
豊かな水流が育んだ苔スラブ。つまり不可能スラブはA1で突破。フリーへのこだわりなどとっくに忘れた。
7P目 IV+ 20m Oリード
ハング下から左に出て凹角からスラブを登る。
8P目 IV 30m ザイアンリード
傾斜は落ち泥とスラブのミックスを登る。ピンは殆どなくなる。
8.5P目 IV 10m Oリード
最終ピッチ手前までちょっとピッチを伸ばす。意外に難しいな。
9P目 III 25m ザイアンリード
左上する草付~泥登り。
ランニングは取れず、フラットソールでのキックステップに緊張する。
上部が核心で、落ちれば運がよくない限りただでは済まないので、ある意味一番危険なピッチです。
昼前、登攀終了。
朝から今までなんと天気は概ね晴れ!気持ちがいい。
ビバーク疲れか重荷にバテたか遅れ気味のO氏を待ちながら屏風ノ頭へ向かう。藪漕ぎだ。
天気はあっという間に悪化してざっと降り出す。
頭についたころにはものすごい勢いでガスが全周囲から上がってきて、雷鳴鳴り響く。
遮蔽物の無いピークで雷は勘弁こうむりたい。
徳沢へ向けて登山道を下る。
8/8(金)
徳沢リゾートを満喫して。雨の遊歩道を上高地までお散歩。
帰京。
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着いた当初は諦めかけていたが、山の天気は読めない。
断念して引き返さなくてよかった。
そして、硬い岩と自然かつ攻撃的なルート取り、振り返れば深く広がる横尾谷など、思い入れによる底上げを省いても、素晴らしいルートであった。
しかし同時に、課題が山積していることも改めて見えてきた。
何より、どんな条件でもスムーズに登れなくてはいけない。
濡れていても、重荷を背負ってでも登れなければ。
脱「5.7クライマー」を目指して精進いたします。
ちなみに、今回を含め5回の山行全て岩場は貸切であった、平日であれば静かに楽しめる岩場だ。
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雑な撮影と編集で申し訳ないですが。