日程:当初2014/04/26~29 前夜発2泊3日+予備1日 実際は前夜発1泊2日
メンバー:種石(CL)・入江(記)
日程後半の雨予報の為に源次郎尾根は事前にキャンセル、前夜発2泊3日で剱岳 八ッ峰主稜1本に絞り狙ったが完敗であった。
4/25(金) 移動
23:30集合で移動
4/26(土) 移動-アプローチ
7:30扇沢-09:20室堂-11:10くらい別山乗越-12:00くらい長次郎谷出合-15:50三・四のコル・3.5峰(泊)
扇沢始発の黒部立山アルペンルートで室堂まで移動。約1時間半、手荷物券含め往復1万円程度。
GW前半とはいえ自分たち以外のアルパインクライマーが誰一人としていない。(結局剱東面アルパインルートには誰もいなかった。)
観光客6割、スキーヤー・ボーダーが4割くらいか。
たどり着いた室堂は悲壮感の全くない一大観光地であった。
観光客としては韓国人系が多い。その中を大型ザックを背負った2人が地味に歩き始める。
アップダウンを繰り返し別山乗越に11:10着。毎度ながらスピードが上がらない入江は種石を大いに待たせてしまう。ここから剱沢雪渓を下降。少しすると源次郎と八ッ峰が一望、素晴らしすぎる景観だ。
「あんなとこ登れるのか、稜線に行くまでも結構な傾斜あるけど。」
「取付いたら意外と行けるでしょ。」
的な会話をしつつ結構な時間下降する。
途中で気持ちよさそうに滑走するスキーヤーを見ていると、ここにわざわざ来たくなる気持ちが分かる気がする。
12:00長次郎谷出合に到着。
装備を付けて沢筋を詰める。トレースの跡か?と思わるようなものがうっすらと見える。トポどおり40分ほど行ったルンゼに入り、稜線までひたすら高度を稼ぐ。ルンゼ右側からは軽いデブリ跡があり、更にはさらさらと定期的に雪が落ちてきて嫌な感じがするので、左側にルートを取る。(後述するが、実はこれが誤りであった。)落ちるような傾斜ではないが、楽に休める場所もなくかなり疲労した。
日もだいぶ傾いた頃にようやく稜線に出る。
トポでは一・二のコルは幕営可能との記録(ただし結構整地が必要との報告もあり)だが、本当か?と思わるような場所に若干不安を覚える。
小ピークに上がり、先行して待っていた種石と先を見るが…うーん、微妙。
当然ノートレースなのでこの先進むにも結構な時間を必要とすることは容易に想像がついた。次の幕営地五・六のコルまでは確実に無理だが、かと行ってここもテント張れるのか(というか張りたいか)も若干疑問だ。
先が見えないので、考えても答えは出ない。ということで種石がちょっと進んで先を確認してくることに。ノートレース+腐った雪質+ナイフリッジということで、ロープを出して空身で偵察。見ているだけで結構悪そうだ。万が一あったらビレイしているこっちもやばそうで緊張する。
結局先をチラ見して全然だめだということが分かり、このよく分からぬ小ピークを無理やり整地して幕営。
やってみると何とかなるもので、きちんと2人横になれるスペースが作れた。が、アイゼンなしで外に出たら即いなくなってしまいそうな場所で、設営中も当然アイゼン着用。狭いがゆえに余計に時間もかかった。しかも入江がテントポールを1本流してしまいツェルト風テントになってしまった。激しく反省。(幸いなことに風がほとんどなく全く問題なく一晩過ごせた。)
懸念というか薄々感じていた、ここは一・二のコルではないのではないか?ということについて、冷静に考えてみて色々分かってきたこと+敗退する道すがらではっきりと確認できたことは以下である。今後の参考に。
・稜線に上がった場所は三・四のコルである。
・幕営地は四峰手前の小ピークである。(仮に3.5峰とする。)
⇒幕営しづらくて当然、雪が少ないともしかしたらできないかも。(今回は1m掘っても雪だった。)
・稜線に出るルンゼを間違えている。
⇒実際に上がったルンゼのすぐ手前に正解の一・二のコルへのルンゼがある。上部右壁は岩が完全に露出していたので、それが目印になるだろう。
実際に上がったルンゼについては、デブリを嫌って左にルートを取ったが、右にルートを取るとおそらく二・三のコルに着く。(ネットで誤ってここについた報告あり。自然にそこにはいってしまうのもうなずけるような感じだった。)
4/27(土) 登攀-敗退
5:30発-四峰-6:30敗退・下降-14:00室堂-帰京
朝起きると快晴無風であった。予報どおり昼までは問題ない天気のようだ。
二人とも気合十分で出発。
昨日空身でトレースを付けたナイフリッジは早朝のしまった雪も相まって難しさを感じない。目の前のピークに立ってここが四峰であることを確信する。明らかに三ノ窓側に25m懸垂というトポに一致する。
だが、当然ながら懸垂支点など出ていない。2か所ほど30分かけて掘り起こしてみるが、支点どころか岩すら出てこない。今年は雪が多いのか…。
「恐らく先のほうでは?」ということで確認をしてみる。
「うーん、そこっぽい気がしなくもない。」(実際どうだったかは不明。)
ただし、そこを掘るには確実にビレイが必要だ。
やってみるかという話もあったが、2人で協議の結果ここで敗退を決めた。
・どの記録を読んでも四峰で苦戦しているものはない。(夏の偵察で懸垂支点のチェックが必須。)
・スノーボラートするにも稜線が細すぎやしないか?
・ここで30分以上経過していたら、今日中にルートを抜けるのはかなり困難。夕方~明日は雨の可能性あり。
というのが主な理由だが、30分足らずでの完全なる完敗であった。
実力がもっとあったら行けたのか?例えば他のメンバーだったら?など、考えても仕方ないことを取り留めもなく考えつつ…室堂までの道のりのうんざりするようなアップダウンを繰り返して下山。
2人で無雪期に一度偵察したうえでの来年の再トライを約束し帰路についた。