2011年1月11日(火)~13日(木)
メンバー:妹尾
1月の3連休で黄蓮谷左俣・篠沢七丈瀑を登った後(七丈瀑は1Pのみ)、
最終日の正午に黒戸尾根五合目にてパートナーと別れて、ノンビリ静かな縦走が
したいなと、鳳凰三山経由で夜叉神峠まで縦走しました。
11日 4:15五合目~7:45甲斐駒ヶ岳山頂~10:36仙水峠
~14:15栗沢山~14:45稜線上コル幕営地
前日は正午にまつど岳人本隊を五合目で下山お見送りした後、
休養。誰もいない五合目でラジオ聞きながら麗らかな日和は最高の馬鹿ンス(笑)。
そしていよいよ後半戦スタート。気合を入れて早朝ヘッデン発。七合目からは
強風で、時節耐風姿勢が辛い。少し弱気になるが、ソロでは良くある心境なので
ガンガン歩く。幸い3連休のトレースがしっかり残っているので快調に山頂着。
休むまもなく今度は下り。この区間も3連休にこちらから登ってきたのだろうか?
トレースか残っており、快適すぎるほどサクサク進む。
甲斐駒の南面には見事な氷瀑が発達してました。あれなんていうルート?
エライ人、教えてください。下部からつめていくとかなり見事なルートな気がするんですが。
”なんか物足りないな・・・”と思ってたら、南アルプスはサービス精神豊富でした。
仙水峠からの登りはスカスカのパウダー?ラッセル。ワカンをつけても足を取られ
なかなか進めない。でもこの苦しみが同時に登山の本質であったり、喜びでもあったりする。
真っ白なラインに自分のトレースを刻む。やっぱり冬シーズンには2~3回、こんな山行が
なければ。
夏道コースタイム1時間30分程度の登りに結局4時間近くかかり、なんとか稜線へ。
稜線上ではテントの場所にも気を遣う。そろそろどっか適地ないかな・・・と歩いていると少し下ったコルで”ズボッ!”と今日果たして何度目だろうか?腰近くまでクラストを踏み抜く。・・・と、雪の付きが薄い稜線上で、珍しく深い雪溜まり。「雪洞掘れるんじゃネ?」と直感。やっぱり、岳人たるもの、1シーズンにラッセルと雪洞は2~3回たしなむものだろう。久しぶりなので1時間以上かかったが、なんとか完成。
しかし、寝る場所の近くに入口を作ってしまって、ツェルトで入口を覆うものの翌朝はシュラフカバーが半分以上雪で真っ白苦笑。やっぱり場数が足りなかった。
12日 7:30幕営地~9:30アサヨ峰~12:30早川尾根小屋~16:00白鳳峠
早朝天気は少し悪く視界は50m・強風、少し出発を遅める。最悪引き返してくることも
考えて、雪洞はそのままにして出発。相変わらず微妙なクラストの下は不安定な粉雪で
1~2歩進むごとに腰ぐらいまで落ちる。ちょっと片足乗せるぐらいなら壊れないところがまた
やらしいコトこの上なし。昨日ほど登りや下りが続くことはないものの、微妙なアップダウンが
延々と続く上、不安定なリッジも時々出てきて精神的に疲れる。天気も微妙で、本日は
1日こんな感じだった。夕方、やや天気回復。今日は白鳳峠にておとなしくテントを張る。
13日 7:45白鳳峠~12:00観音岳~夜叉神峠15:00
~16:20芦安バス停~20:20甲府駅
実は、今山行出発前に知人の先輩から大谷不動に誘われており、本日夜までに下山&連絡をしなければキャンセルという手配になっていた。しかし、昨日までのペースを考えると今日中に下山は半ば絶望的・・・とはいえせめて早出で頑張ってみるか、という朝に限ってそう、まさかの寝坊!!
もうほとんどあきらめかけながら出発。最初は昨日までと同様、不安定なスカスカ雪の
ラッセルだったが、鳳凰三山に近づくにつれて歩きやすくなってきた。時間的に難しいとは思っていたが、観音岳を過ぎる頃には快晴の下、とうとうしっかりしたトレースまで出現。薬師岳小屋を過ぎて暫くして3人組パーティーを追い抜いた後は文字通り、縦”走”という感じでフル装備&アイゼンでのトレイルランニング(笑)。
汗だくになりながら、夜叉神峠・夜叉神トンネル駐車場経由してヘッデン直前に
芦安バス停に到着。残念ながら直前に甲府駅行バスは出発しており、3時間待ち(泣)。
まあ、残りの食料を盛大に食い散らしながらバス停で待機して無事帰りました。
余談ですが、翌日夜には大谷不動に出発なので甲府駅からの帰りに盛山サンに
アイススクリュー他借りようと連絡したらなんと奥様同伴で高速バス停まで
お出迎え&自宅アパートまで送迎!こんな小汚いカッコで奥様スミマセン、生まれてきてスミマセン状態。深夜にもかかわらず洗濯機回したりギヤ整理したりと心休まらない夜でした(笑)。
***************************総括*******************************
まあ、諸事情で今月はかなり山行組めるわけでして、計画した縦走ですが小雪の南アルプスとはいえ、1月の不安定な雪相手にしっかりラッセルできたのは良かったです。華麗なアイスクライミングも素敵ですが、やはり強くなるためにはどれだけ風雪に耐え、歯を食いしばってラッセルしたかというのが岳人の原点として重要なんではないかと再確認しました。
今年の冬シーズンは、アイス等のテクニックを磨くと同時に、その礎となる”冬山力”をしっかり鍛えていきたいと思いますヨ。
だって岳人だもの。