まつど岳人の創始者で大先輩の玉さん、多鶴さんにクライミングの基本確認とセルフレスキュー、ルートで恐怖で動けなくなる事がないようにと自信をつけさせる為に、と2日間岩トレをして頂きました。松隈ことクマのぷ〜ちゃん用にと25ページにもなる岩トレ本を再編集して頂き、手渡された時には驚きました!
2013年12月7日(土)湯河原幕岩
岩登りの為の基本技術の確認、引き上げのやり方、ボルダー用の大きな岩を使って登り方の基本に立ち返る。
12月8日(日)城ヶ崎
クラックの登り方、セルフレスキュー(登り返し)、ケガをした、動けなくなったパートナーと2人で懸垂下降で降りる、カムの使い方、トップロープの支点の作り方などを習う
幕岩のルート壁と梅の木以外のものを使っての基本確認と指導。
*ロープの結び方、たたみ方
*支点の作り方
(流動分散をシュリンゲを編み込んで固 定方式にするやり方)
(立ち木を使って確保支点をつくる)
*ビレイ
*懸垂下降
*1/3方式のザックの引き上げ
盛山さんを息子の様にからかい、ねぎらう
玉さんと多鶴さん
シャクシャインの左横の壁を使い、救助訓練をする盛山さん、増田さん、種石さん
初日の幕岩では基礎の基礎からやってみて、技術の確認と、こうした方がよりやりやすい、確実、などのアドバイスを受けました。それこそ8の字結びの末端処理の位置やビレイ器の向き(どっちでも出来るとジムのクライミングで適当につける癖がついていた…。)普段やっている事を流れでそのままやってみせ、気付いた事があるとその場で色々と教えるといった感じで、ちょっと緊張しましたがせっかくの機会ですので何も考えず手を動かしやっていることを見て貰いました。
テンションかけてきつくなった8の字の結び目をほどきやすくするのとか、マッシャー結びは結び目を持って上にクルクルと巻き上げるとやりやすい事、半マスト結びでのビレイや確保など感心して、おーすごい!って思い、結構やった事無いこれから取り入れてみたい事が見つかり良かったです。
荷物の引き上げでは、皆合流しての講習会に。1/3方式で重さを軽減し、その応用を使って1/5、1/7、1/9、と屈曲を増やしての理論を聞きますが私は分かったような分からないような…?盛山さんが「ゴルゴが得意なやつだ。」と言ってました。
図を見て何となくああそう言われたらそうかも的な感じで理解しましたが、とにかく、とりあえず、ロープの屈曲が増えると荷物が軽くなる、
けど、その分ロープは重くなるし、マッシャー結びの移動も面倒複雑になるということで、私は出来るだけ1/3しかやらない様にして、あとはもうただ自分が頑張ろうと教わりながら思いました。
引き上げの時にマッシャー結び以外の、登高器をセットするやり方を見せてもらい、初めてロープマン(通称虫くん)とタイブロックというギアを見ました。
小さくて何だか可愛いロープマンこと、虫くん。タイブロックの方が軽くていいかなと思いましたが、盛山さんはロープが痛むから好きじゃないとのこと。引き上げ作業もシャントを使ってやっていたのを見て、やり方をきちんと知っていれば、自分で応用したり、ギアも選んで使うことが出来るのですね。
引き上げが終り、テラスから懸垂下降で降りる時に玉さんが上でセットの確認、多鶴さんが下でロープを持って安全を取ってくれていたのですが、お二人は懸垂下降の時がいつも緊張していて、一番事故が多いからと用心して必ず懸垂のときは1人が下でロープを持つ様にしているそうです。
笑いながら、「うちら怖がりだから〜。」と喋っていましたが、
新人の安全の為というだけではなくて、パートナーを思いやってそうしているのがいつも当たり前という感じがして、すごくいいなと思いました。
多分玉さん多鶴さんはこのことを教えにきたといってもいいくらい、この短い懸垂下降は優しい仕事でした。
その後、盛山さん達パーティーと別れて、ボルダーのちょっとした岩場で苦手な足に乗り込んで体重移動する登り方の指導に。
自分がヘッピリ腰で余計に滑りやすいのと、腕の力に頼り過ぎているのを痛感。どうにも信用出来ないんですよね、自分が。
小さい身体で自分じゃ使わないスタンスに立ちこむ多鶴さんを羨みながら初日の幕岩終了。
明日の城ヶ崎での練習の為に大重丸へ移動。松さんファミリーと玉さん多鶴さんが対面、お酒を飲みながら団欒し、何故か手品大会に。
松さんの子供達にお爺ちゃんと呼ばれた玉さんが感慨に耽り、子供達とハイテンションで遊んだり、昔を思い出して語ったりと賑やかな一夜でした☆
2日目の城ヶ崎では、早めの出発で混雑前に人気のファミリークラックエリアでクラックの登り方を教わります。
多鶴さんがトップロープの支点を作りに行ってくれている間、玉さんにテーピングの巻き 方から習い、クラックに手を入れるやり方、身体の使い方を一通り聞いた後、
一番やさしい所で、まずジャミングがちゃんと効くというのを体感する為、手を差し込ん でぶらぶら。ビックロックで練習しましたが、やっぱり全然違います、かぶっているし、 怖い…。
クラックの効きを実証する玉さん。「これで懸垂10回出来るよ〜。」と言ってます。
お立石エリアでカムを入れながら登るやり方を見せてくれている玉さん。
クラックの幅がちょうど良い為、効いているという実感はすごく得ることが出来ました。
ただ普通のリードの時よりも更にやることが増えるため、片手でぶら下がりながらカムを選び、セットし、きちんと入っているか確かめてからのクリップは本当に緊張しました。
またカムの特性というか、動いて奥に入って行くから中が広くなっている所や、取れなくなる可能性のある所は避けてセットした方がいいよと言われ実験して動くのを初めて見た瞬間から、心密かに好きだったカムに怖れを抱き不信感を持つことに…。
自分がセットしたカムに恐ろしくてテンション掛けれなくて嫌だ怖いと悲鳴を上げて、多鶴さんに大丈夫だからカムをを信じて!となだめられ自分の中でカムを巡っての一悶着の葛藤がありました。
クラックの登り方だけでなく、事故脱出の登り返しや、二人で懸垂下降して降りるやり方も教わりました。
セルフレスキュー
トップロープの支点を作る多鶴さん
トップロープのセットの仕方、あんまり見る機会が無かったので、すごく慎重に頑丈な支点のセットを作っている所が見れて勉強になりました。ただ、ここ断崖だし怖いんです!ここに来るまでがこわごわです…。
人工物の橋の橋脚はつかってはいけない、セルフを取るときは自分よりも上の位置で取ること、も習いました。
午後からは玉さんに勧められて取り付いたかぶっている5.9に大苦戦。アドバイスされるも怖くてムーブが出せず、敗退…。
しばらくして別のエリアでフリーをしていた齋藤さん安斎さんがやってきて、また可愛い息子達の後輩がやってきた、と二人とも嬉しそう。
2人は私が苦労していたルートをサクッと片付け、しかも核心はそこじゃない、あそこは5.7くらいだ。と言われ悲しくなりました。
悟空ハングで遊んでいるのを見ながら早めの撤収へ。
帰りは伊豆高原駅で飲み会に。。スミマセン、持ち合わせが無く奢ってもらってしまい…。
楽しかったです!
今回の山行では、技術的なことだけではなく自分がどういう山をやって行くのか、またどういう人になりたいのかを考えさせられたような気がします。人と関わることを望んですすんで教えて行くのを楽しんでいるかの様に2日間ずっとまつど岳人の人達の話を常にお喋りしていた玉さん、多鶴さんの姿が印象的でした。