2013年12月21日(土)~22日(日)前夜発1泊2日
メンバー:妹尾(記)、斉藤
冬はどうしてもアイスに偏りがちなのですが、
『やっぱり冬壁のぼってこそのアルパインっしょ!』
ということで、比較的条件に恵まれやすく、
去年夏に登っている甲斐駒ケ岳・Aフランケ赤蜘蛛ルートへ
アタルさんといってきました・・・が・・・。
行程:20日23:00JR大月駅~21日0:30道の駅はくしゅう
~7:00竹宇駒ケ岳神社~17:00八合目
最初は赤石沢奥壁との継続も考えたが、
まずは確実に赤蜘蛛へ集中できればと、
本日はアプローチ、あわよくば1~2P目に
ロープフィックスができればと出発。
2日ほど前にまとまった降雪があったが、
トレースもあり、少し時間がかかった程度で
5合目到着。しかしここからトレースはなく、
ラッセルなどしたこともない7合目の鎖場でも
一苦労。当然七丈小屋より上は膝上ラッセルから
スタートし、いよいよ樹林帯の傾斜が強くなると
胸までというよもやの展開。
結局、八合目まで10時間以上かかりヘロヘロで
到着。ヘッデンで下降は自信がないので、
やむなく8合目にて幕営。
22日7:00八合目~10:00Aフランケ取付~11:451P終了点~
12:00取付~15:30八合目~21:00竹宇駒ケ岳神社~23:00河口湖
明るくなってからAフランケへ下降開始。
赤布があり、去年の記憶もあって迷うことはないが、
やはり猛ラッセルや、悪い雪壁のトラバースと、
ちょっとしたバリエーションよろしく猛烈に時間がかかった。
結局なんとかAフランケについたのが10:00過ぎ・・・。
時間的にはかなり厳しいが、何クソと妹尾リードで
スタート。人工部分は夏とそう変わりないが、
やはりなかなかスピードがあがらない。
そして人工登攀ではお馴染みの、最後の短いフリー区間。
テラスには1m近く雪が乗っかっており、必死に雪をどかして
ホールドを探るが、何もない。
おまけに頭やザックを雪に押さえつけられ、リップに
乗り込めず、雪の塊に覆いかぶさるように
なんとかしがみついている状態。
久しぶりに必死というか、“ヤバイ”状態。
右手は雪の塊をおさえつけ左手はスカスカ雪に刺さったバイル、
左足は宙ぶらりん。右足のアイゼンはリップにかすかに
かかるだけ。祈りながらもがき、なんとか
トップアウトしたときは心底ホッとした(笑)。
フォローのあたるサンが登ってきて話し合う。
問題は、①傾斜の緩い場所にベッタリ雪がついて、
フリーの区間が激悪い、②激ラッセルでそもそも残り時間が少ない。この2つがセットになってること。
どちらか1つだけなら、引き続きトライも可能だが、
2つセットだと、冬壁経験が豊富でない自分たちには
残念ながら選択の余地はなかった・・・。
特に議論することもなく、敗退が決定。
天候は文句無かっただけに
ラッセルなどの"読み"も含めた、完全に実力不足での敗退だった。
敗退が決まれば、長居は無用、
失意の中でモチはあがらないが、泣こうが喚こうが
甲斐駒の長~いアプローチはこなさなけらばならず、
9時間近くかけてヘロヘロの下山。
足腰だけはしっかり鍛えられました(苦笑)。
***********総括**************
やっぱりコンデションが良い南アとはいえ、
冬壁を登るには、夏場の登り込みや、覚悟が
ちょっと甘かったですね。
あとは、降雪した直後の山行なら、やはり所要時間も
それなりに掛かることを想定できなかった"読み"の甘さなども
含めて、良い勉強になりました。
シーズンはじめに、さっそく頬をビンタされたような
敗退でしたが、おかげさまで目が覚めました(笑)。
これからは油断なく冬山に臨めそうです。
コメント
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