10月4日、のじ、単独。
金曜日の夜に準備をして実家を出て、眠気と闘いながら高速を走り、石打塩沢のSAで仮眠。翌朝再び走って十字峡へ。
ダムの横を通って河原に降り立つ。透明な美しい水が流れている。ああ、世界はこんなに美しかったっけ。ずっと職場に籠城していた目に、秋の空が染みるように痛い。
すぐに日向沢の出合となる。ほとんどの沢は簡単にのぼれる、巻いたのは、F4と、二股に入ってからすぐの8メートルナメ滝のみ、いずれも明瞭な巻き道があり、心配するに及ばない。ただ、記録にもあるとおり、えらくヌメル。ぬめらなければ、全く何の苦労もないだろう。
二俣に入ってしばらくして水は枯れ、ともかく、右へ右へとやぶ漕げ、という、ひろたさんの記録(「その空の下で」)にしたがう。ともかく、私のように、体力も技術も時間もない人間にとっては、いかに効率よくやぶ漕ぎをこなすかというのはものすごく重要な問題である。なるべくスマートに藪をこぎたい。その一心で、沢方をよく見極め、地図と首っ引きで慎重に藪をこぐ。ただ、断っておくが、ここの藪なんぞほとんど藪とはいえない、というくらいの、明るくて軽い藪です。20分もしたところで登山道に出る。そこが、最初っから狙っていたポイントにピタリとあたっていたのでうれしくなる。やぶ漕ぎのカンは、衰えていないようだ。遡行は、きっかり4時間半。
あとは登山道をすたすた下るだけ。まだなめこには早い時期だが、ヌメリスギタケを収穫する。駐車場に戻り、越後湯沢で日本酒を飲みたい思いをぐっとこらえて帰京し職場に戻る。
きれいで、簡単で、単独でも簡単に入れるいい沢です。非常に短いので、物足りないといえば物足りないが、午後から仕事があるときなどには最適でしょう。
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