2015年5月30日
メンバー:櫻田さん(会員外)、アタル(記)
タイム:取付5:50~衝立の頭15:00~中央稜下降~19:00ベースプラザ
谷川岳の衝立岩を突き上げる雲稜第一ルート、
遠目にもボロそうなハングの連続で、
自分が登れるイメージが見出せないでいた。
しかし鉄の時代を象徴する歴史ある見栄えもよいルートである。
最大の核心である頼もしいパートナーも見つかり、
昨年秋から具体的に登攀を視野に入れてきた。
具体的に登攀を考え始めてから、
ネットで情報を集めてもここ10年で数件の完登の記録しか見つからず、
支点崩壊・岩の欠損によるフォールからの敗退の報告ばかりが目につく。
20年位前にはルートを順調に早く抜けているパーティーも多いので、
クライマーを迎えなくなり、支点状況が悪化していっている事が推察された。
しかし月日が経てば経つほど支点状況はひどくなるばかり。
前週にダイレクトカンテを登った際に、
雲稜第一も1P半試登し初めて行けるかもという感触を得て、
覚悟を決めて行ってまいりました。
1P目(アタル)30m:アンザイレンテラスの左の凹角を登っていく。
2P目(櫻田)40m:まず左上し、その後ハング下まで右トラバースし、最後に第一ハ
ングを直上する。右トラバースに入るところのペツルの打たれている岩は完全に浮いている状態でした。
3P目(アタル)35m:右上後、第2ハングを直上する。
4P目(櫻田)35m:本ルートの核心。直上後左にトラバースし再度凹角を直上。トラバースに入る前の辺りでピンがない区間がありネイリング・フッキングをして進む。一番痺れるピッチ。櫻田氏ハーケン3本で核心区間の支点整備完了。
5P目(アタル)30m:右の凹角をフリーで直登し、第3ハングを登る。凹角だからかハーケンの腐食が激しい。運試しはできるだけ避けたいので、マイクロカムとボールナッツを多用。第3ハング上のチムニー手前からは快適にフリーでいける。ボサテラスでピッチをきる。
6P目(櫻田)40m:樹木の多い凹角を直上、ルートの途中左側の小テラスが崩壊したとの事。
ジメジメした洞窟ハングの下でピッチを切る。
7P目(アタル)15m:洞窟ハング、張り出しは強いが支点良好。カムも良く決まる。
8P目(櫻田)30m :草付
9P目(アタル・コンテ)60m:草付
中央稜を下降し、雪渓に埋めたビールとコーラで乾杯。温泉入ってその日のうちに帰京しました。
※ボールナッツ(マイクロカム以下のサイズを1セット)とマイクロカム(2セット)は多用した。
リンクカム(1セット)はそれぞれ数回使った。
※ハーケンは短めを用意していったが、深いリスが多かったため長いものもあった方が良いと思う。
※リベットハンガー・スカイフックは各々数回使用した。ペッカー・バットフックは未使用。
※登攀時間について予め10時間位は掛かると考えていたため、日が長く、雪渓によりアプローチが楽な5月下旬で考えていた。結果的に上手くはまり、ヘッデン使用なく下山できました。
大した経験もないですが、自分が登った無雪期のアルパインで一番充実しました。
トラブルなく順調に登れて本当によかった。パートナーに大感謝です。
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