メンバー:レイ(記)・カッキー
日時:2014年7月13日
瑞牆山・十一面岩左岩壁・山河微笑ルート
6:15(植樹祭公園)〜7:30(十一面岩左岸壁)〜準備・ルードファインディングなど〜8:00(クライミング開始)〜15:00(最終ピッチ取り付き)〜16:30(敗退決定、同ルート下降開始)〜17:20(取り付き点)〜18:35(植樹祭公園)
山河は微笑んでくれなかった。
・長いルートを登る体力
・登る早さ
・ワイドクラックの実力
これらが未熟であった。
また、今回5、6番カムの調達が間に合わなかったために装備できなかったのも痛かった。
・植樹祭公園〜取り付き
取り付きまでは踏み跡がしっかりあるので、トポ図通りに行けば大きく迷うことはなかった。
1P目 5.8 (カッキー)
クラックを直上し、ハングになっている岩の下を左にトラバース。ここがなかなか緊張モノだった。カッキーは少し迷いながらも、ナイスオンサイト。これが終われば、あとはホールドがしっかりあり、登っていけば木の支点に到着する。サクッと登ったように書いているが、実際はフォローが登り終わるまでに1時間ちょっとかかった。
この頃、雲行きが少し怪しくなってきており、撤退するかどうか少し議論したのち、あと1ピッチは登ってみようということで2ピッチ目にとりつくこととした。
2P目 5.7 (レイ)
40メートルほど続く大チムニーを登る。いくらか出てくるチョックストーンに手がかりがあるし、チムニーにしっかり体を挟めばレストはできるので、ところどころでレストしながらじわじわと登る。チムニーを抜ける最後は少しスラブを登ってテラスへ。こんなスケールのクラックを登るのは初めてで、抜けた時はかなり爽快だった。と同時に、結構疲れた・・・。
セカンドをビレイ中に、雨がパラついたりやんだりしており、ここでも次を登るべきか降りるべきか迷う。このチムニー登りでふたりとも結構体力を使ったので、空の様子を伺いながらしばらく休憩。結果、少しはぱらついても酷くははならないだろうということで、3P目に取りつくことに。
ここらへんで11時半ころだった。
3P目 5.9 (カッキー)
木登りしてから少し右上方向に走るクラックへ取り付く。少しワイド気味のクラックなので、はさまりながら登っていくのだが、上にいくほどヘルメットがはさまるくらい狭くなっており、右のフェース側に出ないといけなくなる。できるだけクラック内を上に登り、右手をのばせば持ちやすいガバカチがあるものの、左手はホールドに乏しく、なかなか困難で苦戦。テンションしながら、たまにカムを掴んでなんとか上に上がる。この上は問題なかった模様であるが、下部でカムを結構使っていたため小さめのカムしか残っておらず、少し決まりが緩かった。
フォローの僕も例の核心部で何回かテンションしたのち、思い切ってフェース側に右足のフリクションを効かせて乗り上がり、左手を伸ばすとガバに辿り着いた。この上はさほど難しいところはないが、なんせ長いので、下部で消耗してしまったためヒーヒー言いながら登る。クラックを抜ける少し下で、クラックに土と岩が挟まっているところは浮石が多いので注意。
ビレイ中は天気が徐々に厳しくなってきて、風が吹いたり少し雨に降られたりして寒かったものの、僕が登っている頃には晴れ間も出てきて、逆に暑くなってきた。
さて、このピッチでも2人とも疲れてしまい、しばし休息。なかなかペースが上がらない・・・。
ここで晴れ間もでてきたし、西の空を見ても天気は悪くなさそうなので、最終ピッチに取りつくことにし、取り付きへ向かう。ここは2ピッチ目の終了点から少し上がったのち、クライムダウンするのだが、ここで結構時間を使ってしまった。カッキーは時間短縮のために、2ピッチ目終了点から懸垂で最終ピッチ取り付きへ。トップもこれで良いかもしれない。
またここでもしばし休息。天気は持っているので、なんとか抜けたいと思うとともに、最終ピッチはそれほど長くないので長く時間はかからないだろうと考えて、挑戦することととした(全然そうじゃなかった)。
最終ピッチのビレイ点は大きな岩に180cmシュリンゲをかけて作成した。(立派な木があると思ったら、その木はボロボロだった)
4P目 5.10a (レイ)
少し登ると平らな岩があるので、その上に乗っかり、ここで4番を決めてオフウィドスにとりかかる。レイバック気味に登るなり、フットジャムのように足をクラックに入れるなりしてから、右半身をクラックに突っ込み、じわじわと上がる。クラックは上に行くほど大きくなっており、ここで5番か6番を決めたい・・・と思ったものの、今回は持っていない。仕方なく4番を少し下のほうに決めてクリップ。ここで厳しくなってテンション。この4番は効きがあまり信頼できなかった。このあと何回かトライしたものの、5番か6番カムを決められなかったのもあり、どうも上にいく勇気が出ずに、何度もテンションする。ちょっと厳しくなってきたので、A0でなんとか体を上に上げて、クラックの奥の方に1番が決まりそうなフレークを発見。ところが体とギアが挟まっているせいでカムがうまく取り出せず、ここでまたテンション。こんなやりとりを繰り返しながらなんとか1番カムを決めた頃には、空模様も変わっており、本格的に雨が降り出してきた。
こんな調子でしかも雨まで降ってきては上まで抜けれそうにないので、ここで敗退することに。2つの4番カムを交互にひっつかみながら下降。
雨と風の中ずっとビレイしてくれていたカッキーには申し訳なかった。
ここから、クライムダウンしたところを登り返し、3ピッチ目終了点へ。雨で岩が結構濡れていたため、ところどころで支点を取っていったのだが、終了点からロープを引くとかなり重かった。カッキーが登り返すのをビレイして、二人とも3ピッチ目終了点へたどり着く。岩は雨で濡れているし、ロープは重いしで、ここがなかなかくせものだった。
下降は同ルート懸垂。3回の懸垂で取り付き点へたどり着いた。懸垂中にロープが変なところに挟まらないかなどに気をつかいながら降り、今回はスタックすることは無かった。
長いピッチを登ったという満足感はどこかにあったものの、体力・実力不足を噛み締めながら植樹祭公園へ。雨で重くなったロープやギア類の入ったザックは来るときの何倍もの重さに感じた。
ピッチことに大休息しなくて良いように体力を強化すること、登る時間の短縮すること、ワイドクラックの経験を積むことが必要だと感じた。また、ワイドクラックを登るときに、くるぶしをかなり擦りむいたので、次回からは保護するようにしたい。そして、次回は5番、6番カムを持参したい。
お疲れ様でした。
とても良い報告ですね、反省部分も的確です。
最初にレイさんへこのルートを勧めたとき、
相当の苦戦と、特に最終ピッチのワイドは敗退だと思った上で
勧めました。それでも、今のカッキー・レイ組には
きっと得るモノが多いハズなルートだったので。
僕が見たかったのは、『簡単なピッチを簡単に素早く登れるか?』というポイントです。見事にその点でハマってくれて何より(笑)。
報告でも書いているとおり、最終ピッチを除いても
5.7~5.9のグレードたった3ピッチで7時間近く
かかっている点がすべてですね。
ましてや、これがもっと山奥の
本チャンであれば・・・もっと多くのリスクが
文字通り『山積み』ですよね。
報告どおり、まずは安全性・スピード・体力のアップ。
今回の課題を克服するためには、
『ゲレンデでRPグレードの更新』を
いくら積み重ねても、最初のうちは役に立ちません。
(たぶん・・・経験済みなので。)
『簡単な場所を簡単・素早く登る』というのは、
案外難しく、なかなかちゃんとやっている人って
いないんですよね。どうすれば次は上手くいくか?
考えて、そして試行錯誤してみてください。
ここで簡単に答えを書くような野暮なマネはしませんので
ご安心を(笑)。
何か思いついたら、もしくは答えが
ナカナカ見つからなければ・・・・相談してください。
ま、僕もそんな素晴らしい答えを用意しているワケでは
ないのですが・・・参考ぐらいにはなる?
投稿情報: 管理ビン | 2014/07/14 19:41
コメントありがとうございます。ハマりましたか。。
長いピッチを登っている間はゼーゼー、登り終わったあともハーハー言いながらやっていたので、登るスピードが遅いのはもちろん、つるべをしようと思っても、フォローで登った人がすぐに次のピッチに取り付くということができませんでした。
簡単なピッチをサクッとやっつけるためには、体力・筋力・気力といった全般的なものを鍛える必要があるように思いました。これらを鍛えるときっとRPグレードも上がるような気がします。
投稿情報: レイ | 2014/07/14 22:44