日程 ・・・ 2013/12/29~12/31 前夜発2泊3日
隊長:入江
隊員:齊藤・増田(記) …敬称略
まず始めに・・・今回のルート名『岳沢』は“ガクサワ”ではなく“ダケサワ”なので悪しからず。
知らないと岳人としてハズカシーのでお間違えなく。(モ、モチロン増田はしし、知っていましたヨ。。。)
12/28 22:00新宿発 ~ 26:00道の駅『南アルプス村』
夜明けまで駐車場にテントを張って仮眠。寒い。
戸台口へ向かう登山者が多いらしく、道の駅にはテントがいくつも並んでいて賑やか。
12/29 7:30道の駅 ~ 8:00丸山出合い手前ゲート ~ 10:00丸山出合い ~ 11:00道迷い ~ 13:30営林署宿舎跡 ~ 16:00岳沢越え ~ 17:00三峰川本流幕営地
丸山谷出合まで車でアプローチの予定だったが、かなり手前でゲートが閉ざされていた為、林道を歩いて進む事に。まさかこの判断が後に大きな誤算を生むとは・・・。
2時間程歩いて本物の丸山出合いゲートに到着。ココまで遠いとは思わず、踏み跡と謎の赤テープに翻弄されながら1時間ほど北沢を“偵察”してから正規のルートである南沢を進む。
南沢へ入ると登山道の斜度が上がっていき、順調に高度を稼いでいく。
営林署宿舎を過ぎ、コンパクトな滝で今回山行で初のアックスを振るう。
その後も気の遠くなるような長い長い急斜面の登りが続き、ふくらはぎから絶叫が聞こえてきた所でようやく岳沢越え。
日暮れが迫ってきており、休憩もソコソコに三峰川本流を目指して今度は急降下。
沢筋へ下りると、幕営の準備をしている先行パーティ二人組と遭遇する。ガイド山行らしい。
前日ルートへ入った別パーティが使った幕営跡地を使わせていただき、本日の行動終了。
12/30 7:00幕営地 ~ 8:00F1 ~ 9:00F3 ~ 11:00F4 ~ 13:00F6? ~ 15:00F8ソーメン流しの滝 ~ 16:30ソーメン流し下部幕営地
齊藤隊員の腸内で雪崩が発生。前日大量摂取した行動食の“コンデンスミルク”が原因か。
本日は登攀メインの一日なのでヘルメット・ハーネス・ギアラック装備の“本気モード”で出発。
天気は良いが日陰でムーディな沢筋を進むとF1の滝が現れた。
幕営地を先に出発していったガイド山行組が登っているのが見えたが、あっという間に去っていってしまった。
昨日出番のなかったダブルロープを使って、連続する滝を越えていく。
積雪が多いらしく、トポにあった短めの滝は埋もれていて気づかないうちに通過していた。
高度が上がるにつれて周囲の遮蔽物が無くなり、見上げる空の青がグングンと面積を広げていく。
F6の滝を越えると、遂にルート上に陽の光が届いて何とも心地良い。
無風快晴の中、目線の先に白く輝く『F8ソーメン流しの滝』が確認できた。
間抜けなネーミングとは裏腹に、岳沢のメインディッシュたる堂々とした美しい佇まい。デカァ。
この日は途中までロープを伸ばしておいて一旦下降し、明朝一番で攻略に取り掛かる。
今夜の宿泊先は、滝の下部に雪を掘ってスペースを作った眺めが抜群の3ツ星ホテル。
12/30 7:00ホテル『アンダーソーメン』 ~ 9:30ソーメン完食 ~ 10:30奥の二又 ~ 12:30大仙丈ヶ岳 ~ 13:30仙丈ヶ岳 ~ 15:30北沢峠 ~ 19:30戸台駐車場
なかなか明るくならないと思ったら、空は灰色の雲に覆われてチラチラと粉雪が降っている。
天気回復を期待しつつ、昨日途中まで箸をつけたソーメンをすすりにかかる。
滝中間部の僅かな足場でのビレイ、降り注ぐ粉雪と落氷。感覚を失って痺れてくる指先。
まさに冬期アルパインの見本。今の姿をフィルムに収めれば山岳雑誌の見開きはイタダキだが、カメラを取り出す余裕なぞ一ミリもない。
ヒィヒィ言いながら激闘の末、巨大氷瀑を越える事に成功した。
F8以降の滝は斜度が緩く、雪に埋もれて一部が露出している状態。
安心して巻き気味に登っていると薄氷部を叩いてしまい、アックスから嫌~な音が・・・。
滝を全て越えると残すは頂きを目指して大仙丈ヶ岳の稜線へ這い上がるのみ。
入江隊長を筆頭に交代々々で大ラッセル祭り開幕。
稜線が近付き、吹き寄せる風がトレースを消してしまっているので、ガスの中で胸まで潜る・・・は言い過ぎだが膝上ほどの積雪と格闘する。
我々の必死の頑張りに山が感動したのか、徐々に雲が掻き消えて行き、頂上と思しき稜線と空が見えてきた。
ナントイウコトデショウ、風はやや強いものの隊員たちが大仙丈ヶ岳頂上に立つ頃には、頭上に蒼空が広がっているではありませんか。
絶妙なタイミングの好天。稜線を伝って仙丈ヶ岳、小仙丈ケ岳と快適に渡り歩き、あっという間に北沢峠までたどり着く事が出来た。
とは言え峠に着いた時点で15時過ぎ。当初の予定は3泊4日なので、そろそろ幕営準備のする時刻である。
・・・がしかし、隊員たちはもう一泊山に留まる気などさらさらありません。
あるのは、ゴールの戸台駐車場を目指して突き進む。ただその一択。
疲労の色は隠しようもありませんが、下界で待つ“温泉とビール”が彼らを強烈に突き動かすのです。
長い林道を下る内に日は沈み、ヘッドランプを付けて“残業タイム”が始まります。
同じ南アルプスの農○小屋主人に知れたら大目玉ですが、まつど岳人ではコレがスタンダードなのです。
長い林道から長い長い、ホントに長い河原歩きを経て、駐車場に到着。
コレにて年末山行無事終了。お疲れ様でした。
追 記
戸台駐車場からタクシーを呼んだのですが au では電波が通じず、入江隊長の docomo で何とか通話が可能でした。危なかったァ・・・。
また今回は、丸山出合い側に車をデポして帰りにタクシーで回収に向かったのですが、車に戻ると妖精さん?からの置き手紙が・・・。
『この林道は除雪車や作業車も通るので、云々かんぬん・・・』
要約すると、
「テメェ、誰の許可を得て駐車してやがンだ!車のナンバー控えといたから覚悟しとけよ!!」
という、非常にオッカナイ内容のお便りでした。
もしマイカーを使って同ルートを辿りたい方は、docomoの携帯を持って戸台駐車場からタクシーで向かわれる事を強くオススメします。(コレが今回最大の誤算でした。)