1月3~5日 日置一孝
1月3日
新穂高温泉1240―1800メートルくらい1600
ラッセルした。寂しいと思った。
1月4日
1800メートルくらい0630―2700メートルくらい1700
朝からラッセルだったが、1900メートルくらいでトレースを発見。更に後ろからもう一人登山者がやってきてもう楽勝と思ったが、何故か昼頃に下りて行ってしまった。私に思い当たる節はないので、たぶん時間切れだろう。さらにその直後にトレースが消えてしまいまた一人でラッセルとなる。いったい何が楽しくてこんなことをやっているのだろうと思った。
樹林帯を抜けてもまだラッセル、岩を巻き、雪の稜線を進む。そろそろ寝床が気になりだしたが、ここまで来るとあまり気に入った場所が出てこない。頂上直下の鞍部が超素敵そうに見え、結局そこまで行ってしまった。
夜は寒かった。お家に帰りたくなった。
1月5日
2700メートルくらい0740―西穂山頂たぶん0900くらい―西穂山荘1130―ロープエー駅1230
寒かった。テントの中は氷漬け。山頂はもう目の前なので、スパッツを溶かしたり、靴を温めたりしながらだらだら準備。決して一般ルートで誰か登ってきたところで山頂に現れたかったからではない。
山頂まであと一登り、ちょっとだけ岩登りしたかな、規模も難易度も阿弥陀の北稜くらいなので落ち着いて登ればどうということもない。他は雪壁を登ったり、岩と雪の稜線を歩いたり。
しかしパワーが出ない。山頂がすぐそこなのに動かないのは疲れているからであり、決して誰か登ってくるのを待っていたわけではない。人が登ってきてから動き出したのは決してチャンスと思ったからではないし、山頂についてへたり込んだのもこれまでの苦労を他人にアピールしたかったからでもない。一般ルートから人が続々と上がってくるが、決してもうちょっとしてから登ってくればよかったとか思ってもいない。単独山登りは自分の中で完結するものなので、他人は関係ないのだ。
天気は快晴、後は景色を眺めながら下山するだけ。西穂山荘までくると風もなくてゴールデンウイークみたい。人がうようよいる中で一人だけ重装備で歩くのは少し恥ずかしかった。
何はともあれちゃんと登れてよかった。簡単なルートでも正月に一人で登るとそれなりに登り応えがあり、なかなか楽しめた。
コメント
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