2013年2月23日(土)~24日(日) 前夜発1泊2日
メンバー:CL妹尾、斉藤
いよいよアイスシーズンも終盤となり
ピッチグレードⅥ級も安定して登れるようになって
きたので、総決算としていよいよ日本屈指のアイスルート、
「夢のブライダルベール」にトライすることにしました。
行程:
23日1:00JR大月駅~5:00/6:30奈良田駐車場
~9:45/10:00ブライダルベール取付~16:00終了点
~18:00取付~19:30林道幕営地
深夜に大月駅でアタルさんと合流。
しかしいつものパターン?で寝不足(笑)。
途中、コンビニやら道の駅で短い仮眠を繰り返し、
果てには奈良田の駐車場で1時間ほど、合計2時間の
睡眠を確保し、いざ出発。
この時期の荒川出合はだいたいそうですが
行きの10km歩きは雪も少なくポカポカ陽気。
ほんとに凍ってるかなとやや不安でしたが、
行きに通り過ぎる沢は結構氷結している。
そんなこんなで2時間以上歩き、ようやく
3ルンゼ出合に到着。不要な荷物はここでデポし、
ギヤもすべて装着。今回はフォローのみ行動食・ツエルトの
入ったザックを背負っていく。
3ルンゼを進み見上げたブライダルベールは
圧倒的な存在感を示していましたが、初めて見たときのような
威圧感はなく、十分に発達しているせいか傾斜も
少し緩いように見えました。核心部も十分発達しているよう。
強いて気になるといえば確信部右側は
雨のように水が滴り落ちていることぐらい。
1P(Ⅳ+級?):斉藤リード。左側の方が傾斜は緩いのですが、
上部から水がかなり落ちてくるので右側から登りはじめる。
中間部のウロコ状部分はプロテクションがとれず、
大きく右に迂回、核心部直下で左にトラバースして
氷柱裏で快適ビレイ。
2P(Ⅵ-級):妹尾リード。氷柱裏から大雨(笑)を浴びながら
トラバース気味に氷柱右上の凹角を目指す。出だしから
15mくらいは傾斜もほぼ垂直。ただ、それ以上に厄介なのは
表質がツララ状・ウロコ状でどれもあまり信用できないこと。
墜落は当然、アックステンションもヤバイ感じの緊迫した
登攀を強いられ、極力パンプしないよう丁寧に
”足で登る”ことを心がける。傾斜が落ちた後も
30m以上80~85度の傾斜が続き、持久力が試される。
ふくらはぎは常にパンパンになりながらもなんとか
50mギリギリまでピッチを伸ばしハンギングビレイ。
60mロープなら潅木まで届けたのですが残念でしたが、
ノーテンションで突破。
3P(Ⅳ級):斉藤リード。核心ピッチを過ぎても
気の抜けないピッチが続く。すでに2P100m近いクライミングが
続いた後だがあたるサンはスピードを落としことなく
ロープを伸ばす。
4P(V級):妹尾リード。最後、短いながらもウロコ状で
非常にデリケートなクライミングが要求される。右側の
幅1.5mぐらいがしっかり氷結していたので、
ウロコ状の左足・左手は繊細かつだましだまし登る。
抜け口から緩い氷が続くが、かなりパンプした
ふくらはぎには、逆にこの傾斜は相当辛かったです。
何はともあれ、たった4Pに6時間かけてようやく無事完登。
下降は一度、ルート左手の尾根を目指しましたが、
やはり前回同様よくわからなかったので、ルートのルンゼ右岸の
尾根を下るとすぐに潅木に懸垂支点を発見。計3Pの懸垂下降で
ブライダルベール左の氷曝郡のあるルンゼ下に到着。
まつど岳人伝統のヘッデン残業の危機を乗り越え、
ギリギリセーフで、めでたしめでったし。
荒川出合手前の林道脇で、テント用に整地されたスペースが
あったので拝借。完登祝いはチューハイ・ウイスキーに
肉うどん・ベーコン焼肉等、肉食男子ペアに相応しい宴でした(笑)。
24日9:15幕営地~11:30奈良田駐車場~14:30JR大月駅
計画段階では、この日は別ルートも考えていましたが、
やはえりブライダルベールの後だと、どうしても
他のルートに魅力を感じず、疲労もあるので
(朝起きたら予想通り筋肉痛・・・苦笑)、
のんびり下山。朝7:00起床予定が8:30(笑)。
行きと同様、2時間以上の歩きで下山でしたが
夕べのスタミナ満点夕食と11時間睡眠で疲れることなく、
そして運転でも眠気を感じず(笑)帰れました。
【総括】
アイスをはじめて早6年?で、ようやくこのルートに
トライ&完登ができました。
(始めた当初はそんなに真面目に登ってなかったので・・・)
やはり、アイスをやっている人なら誰でも知っている
国内屈指の好ルートとあって、単に垂直が登れればよいだけでなく、
ノーテンションで登る能力、プロテクションの悪い部分を
こなす能力、傾斜の強い50mを登り切る持久力、
ランナウト・プアプロに耐える精神力、すべての動作・作業を
スピィーディーにこなす経験、こういうものをすべて揃えて
はじめてトライが許される『本物の』アイスルートでした。
ただ、今回時間がかかりすぎました。
もっと登るスピードは速くなる必要があると反省。
今年はアコンカグア、大谷不動左岸壁中央、犬殺しなど
良いルートに成功が続き、純粋なアイスとしては最後に
このブライダルベールに登れ、気持ちよくアイスシーズンに
ピリオドが打てました。パートナーになってくれた
皆様、本当にサンクスです。
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