2012/9/2
CL:盛山、安齋、小竹
槍見温泉駐車場6:00-左方カンテ取付き8:00-終了点15:15-駐車場19:15
お久しぶりです、錫杖左方カンテさん・・・と気軽に取付いたら、
返ってきた返事は 「気安く触れんじゃねよ!」と冷たく引っ叩かれた気分です。
そう、左方カンテは私が2009年に登ったルートとは変わってしまったのです。
「残置ハーケンなし、既存ルートではランニング取れないとこもあるよ」
ってな感じです。
今の左方カンテ登るのであれば、ナチュプロが確実にセット出来ることと、
フィンガーサイズからキャメの3番くらいまでを2セットくらいあった方がいいかも。
のんびり新人をいびりながら登るつもりだったのに、かなり本気モードにさせられちゃったよ。
最近トラッドクライミングの影響かも知れんが、ちょっとこれはやり過ぎでしょ。
1ピッチ目
特に記載事項はなしですね。登るというか歩いていく。
2ピッチ目
クラック沿いに登るが残置がないとちょっと怖い。
ひさびさのクライミングも手伝って、動きが硬いぜ。
クラック内に何本かカムをセットして一気に登る。
カム(キャメ):1~3番辺りを使用
3ピッチ目
フェース。
既存ルートは確保支点から右に出て小ハングをA0で乗越。
全てのボルトがへし折られて「これをフリーか、しかもランニングなし!」と泣きが入るね。
ランニングは欲しいので、左のクラック沿いに登る。
スタンスはあるがアルパインシューズにこの動きは厳しいだろ。
あまりにびびってその後のルート取りをミスしてクライムダウンするハメになっちゃったぜ。
カム:0.5~2番辺りを使用
4ピッチ目
既に燃え尽き症候群だったが、「チムニーまで登れ」という厳しい後輩の言葉にトボトボとチムニーに入っていく。
ザックが~ザックが~、超邪魔です。
途中で何度捨ててやろうかと思いましたが、ゴリゴリと頑張りました。
当然支点なし。いい加減慣れてきた。
5ピッチ目
ようやくリードのお役御免。あとは安齋隊員に託す。
フェースのルート。
お情け程度にハーケンが1本・・・本日1本目のランニングです!
かなり下部はランナウトしていたなあ。墜ちりゃグランド確実。
ホールド・スタンスを確実に拾って、順調に登る。
さすががだね。
6ピッチ目
ちょこっと伸ばして核心の前で切る。
7ピッチ目
核心。
出だしの部分にペツルが打ってある。
本日2本目のランナー・・・
おお~安齋隊員、果敢に攻めてフリーで登ったよ。
さてセカンドの我々はアブミを使いますかね。
綺麗なスカイラインを登って終了!
下降点で梅澤パーティの出迎えを受け、帰りに岩小屋のテンバに寄ってからソソクサと下山。
登山道で日没、ヘッデン行程で駐車場着。
ひさびさの長丁場のクライミングでした。
~個人的つぶやき~
現在の左方カンテには本気で残置支点がありません。
本文中にあるようにわずか2本。
確保支点は各支点に2本づつペツルがあります。
支点整備という名のもとに残置支点が排除されたようです。
新しくルートを開拓するのにトラッドスタイルでするのは構わないと思いますが、
既存のアルパインルートを勝手にトラッドルートに変えるのは個人的には如何なものかと思います。
今の左方カンテは初級者にはとても取り付けるルートではなくなってしまいました。
非常に残念でなりません。
個人的にはトラッドスタイルでのクライミングは好きですが、それだけにこの左方カンテの現状は残念です。
先日初錫杖で同ルートを登って来ましたが気にならなかったな。それより残置ハーケンって墜落に耐えれるんすかね?
投稿情報: yayu | 2013/09/27 21:58
>yayuさん
初錫杖お疲れ様です。
以前(といってももう5~6年前?)から比べたらやっぱ厳しいですよ。
残置ハーケンが墜落に耐えれるかは微妙ですが、物によっては十分に支持力はあると思います。
最近は既存ルートも残置支点の劣化が激しいので、カム類は必須かとは思いますが…
ちなみに記録の2週間後くらいに別ルート登りましたけど、その時に左方カンテで事故ってました。
ちょうどピンが抜かれたフェースのピッチで墜ちて、カムで止まらずグランドです。
足・腰骨骨折等、自力下山出来ないほど重症でした。
残置があればもう少し軽傷だったと思います…
山は自己責任といえど、複雑な思いでした。
投稿情報: モリヤマ | 2013/09/28 00:21
はじめまして 昨日左方カンテにはじめて行きましたが、各ガイドブックに見る内容とは大幅に違っててビックリしました。トラッドクライミングはあくまでも個人のスタイルであってクライマー全てに押しつけるのは如何なものかと思います。正直行き過ぎな箇所もいくつかあったので残念でした。
投稿情報: yt | 2013/10/20 18:05
>ytさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
確かにガイドブックとは大幅に違いますよね…
錫杖の岩場の清掃活動をしている方々のブログを見ると一理あることも確かですけど、なかなか難しい問題だなぁと感じております。
投稿情報: モリヤマ | 2013/10/25 01:47