2007年11月3日(土)~4日(日)
三つ峠新人講習
CL松沢、SL坂本、玉谷、盛山、妹尾、吉田、金
今回は新人講習。有望株が二人、我が会の「いつもここからの三ッ峠」に向かう。春に来たときは、人が亡くなる現場に居合わせ、改めて気を引き締めた。しかしながら今回は大きなミスをおかし、パーティが危険な状態に陥った。
土曜日朝、松戸、和光市、新宿、高尾、各地で集合合流しながら全員集合したのは、三つ峠山頂西下の(四季楽園)。昼前に到着、天気はガスが多いけれども天気は悪くない。
7人のうち2人が新人で、2人2人3人の構成で後ろ二つのパーティに新人を入れる。マルチピッチの大まかな流れを把握してもらうため、草溝ルートから権兵衛チムニーへ向かって登るが、新人は確保が不安なため後ろのパーティのメンバーにやってもらうので、非常に時間がかかってしまった。
権兵衛チムニーを先頭の2人と中盤の1人が登ったところでタイムアウト。あたりはダンダン暗くなってきて気づいた、ヘッドランプは岩の基部のザックの中だ。新人はクライミングジムで何回か登ったことのと、何とか懸垂を教えたくらい。7人の内で、先行が次の懸垂支点探し出し、次にロープを背負った人間が降り更にロープをセットしていく、次に懸垂の出来る新人にシャントを持たせて降ろす、次が難しかった人工壁の経験のみの新人は(迷子にならないように、懸垂用のロープにデイジーチェーンを掛け)テンションで降ろす、残りは随時。新人を落としてしまうことに気を配りすぎて、興奮しすぎた自分のセルフビレイを怠ったり、セルフビレイをしたつもりでぶら下がったりしないように(互いにチェックを受けながら)気をつけた。
暗くなって驚いたことは、
① ロープの色が判断できない。二,三本かが一箇所に集まるとわけが分からない。
② 三つ峠のあんなに大きい懸垂支点が見つからない。
③ ロープの末端の見えない暗闇に懸垂していくことは非常に恐ろしい。
④ 自分が興奮しているので、新人に対していつも通りの事を伝えることが出来ない。
そんな中で、自分を含めて「一人くらいは落っこちるか!」と考えてしまった。
皆無事に降りることが出来たが、あと一つ問題が起きていたら(懸垂のロープに結びコブあったり)どうなっていたか分からない、今回は運が良かったのだろう。ミスの要因として、
① 新人が2人いる状況は余り経験がなく、時間が読めなかった。
② 撤退するタイミングを誤った。
③ 頂上を経由したほうが、良かったかもしれない。
2日目には中央カンテを無事に皆で登った、ロープの色が分かるのは素晴しい。
帰りは、いつもの店で反省会をしてから家路に着いた。
先行(玉坂with吉田くんパーティ)は先行で後続の位置を考えずにまだ登れそうだと思ってしまい、後続は後続で先行が登っているからと、お互い無意識のうちに下降の合図を待ちモード状態になっていたのかもしれない。
リーダーシップを誰がとるかという事がちょっとあやふやだったかな。
最初の出発前に登るルートと撤退時間を皆で決めておけば良かったし、松ちゃんの言うように山頂まで行ってしまった方が良かったのかもね。
とにかく、新人に不安を感じさせてしまったのはまずかった。
今回と同じ間違いをしないよう、今まで以上に気を引き締めていきましょう。事故はいつでも隣り合わせだしね。来週は新人以外の同じメンバーが集まるから、もう一度そのときに話しましょう。今日の執行部会でも考察してみますよ。
しかし、暗くなってしまってから、渡辺登山学校の渡辺篤夫校長先生や生徒さん、写真家の松下さんが岩の基部まで様子見に来てくれたり、四季楽園のご主人や奥さんにも心配かけて、申し訳なかったですし、ありがたかったです。
投稿情報: 坂本多鶴 | 2007/11/07 12:05
「はじまりはいつも三ツ峠…。」いつの間にかもう15年も通っている。僕らが岩登りを初めて経験したのも、当会の第1会山行も、柏瀬さんに出逢ったのもこの岩場だ。佐藤正二さんや渡辺校長先生や堀田弘司さん。四季楽園のご主人や奥さん、土浦食堂のオバちゃんや写真家の人たち…。「はじまりは、やっぱりいつも三ツ峠」支点の悪さ・脆い岩質。本チャンさながらのマルチピッチの練習ができる貴重なこの岩場は、いつ来ても懐かしく、また新鮮だ。
投稿情報: 玉谷和博 | 2007/11/08 05:18
「自分を含めて、一人くらい落っこちるか。」と、松っちゃんが本当に思ったのだとしたら、それは大問題だし、リーダーとしては明らかに失格でしょう。「運がよかった。」から全員無事に降りれたわけではなくて、そんなに余裕がなかったようには見えなかったし、パーティー全体としては、わりと状況を楽しんで余裕で降りていたと思いますよ。『そういう登山をしてみないか!』と、かつて吉尾弘さんは、後輩にイイ経験を積んでもらおうと、ヤバイ状況(実は吉尾さんにとっては余裕なのだが)を楽しんでハッパをかけていたことがあります。今回も実際にやろうと思ってもなかなかできないイイ経験をしたと思っています。(本チャンでは、このような状況は何度か経験しているし、想定内ですよ。)
僕らから見れば、カッチンも松っちゃんもランディーも、みんな余裕をもって冷静に(かつ楽しんで)行動していたし、「皆んなかなり成長したなぁ~」、と目がウルウル(最近トシをとって涙腺ゆるいのです。)してしまいましたよ。オジサンたちは。でも、松ちゃんはテクニックはかなりついているけど、まだ実践の経験が少なすぎるのかな?自分たちだけでヤバイ経験も(!)積んで自信をつけてもらいたいと、昨日は天狗で話してましたよ。
今回は新人教育だから、ちょっとマズいんじゃないの?という声もあろうかと思いますが、信頼するスタッフも多かったし、新人2人が多かったとも思わない。新人のためだけの岩トレだとも思わないし、ま、余裕だったのに報告見たら「あれれ…?」って感じかな。でも反省することはいいことだよね。次につながるからさ。
投稿情報: 玉谷和博 | 2007/11/08 05:51