2007年9月8日(土) CL森(ゴルゴ)、妹尾(ビン)
9/8(土)0:00駒込駅集合、3:00一ノ倉出合4:55―6:55/7:10凹状取付11:50/12:10ー16:30出合
金曜朝に台風9号が関東地方を通過.指導センターに問い合わせたが土砂崩れ等はないようなので、予定通り出発.出合には他に車10台.ダイレクトカンテ1、中央カンテ1、中央稜、南稜が数パーティーずつだったか.
朝の一ノ倉は地面が濡れて湿っぽかったが、増水はしておらず、むしろ普段の秋より少ないようにも感じた.(珍しく)最初に出合を出発したので、ひょんぐりの懸垂も時間待ちせずに通過.ただしテールリッジの登りが大変だった.2段目以降のスラブ岩がほとんど乾いているのに滑る滑る.フリクションがまったく利かない.いつもなら足だけで登るのに今回はずっと手を添えながら.これまで濡れだけでビブラムが滑ることなんてなかったのですが、底が擦り減ったのか?底が水を吸い過ぎたのか?ビンの安靴が滑るのは当たり前なのですが(笑)
そんなわけでいつもよりたっぷり時間かけて取付に到着.ボタボタ岩壁から降る水を浴びながら準備して、1Pはビンリードで出発.2Pはゴルゴ.中央カンテと共通コースの2Pまでの懸垂支点はペツルのハンガーになっていた.3P目以降はリングやRCC.どんどん乾いていく他のルートと異なり、凹状の底は太陽が照らさずかなり濡れていた.核心と言われる4ピッチ目(ゴルリード)の垂壁なんかはビショビショ.このピッチでちょうど下から中央カンテパーティが来たのと、怖いのとでゆーっくり慎重に登りました.一ノ倉全体で一番に取り付いたために落石の心配も少ないし.
5ピッチ目(ビンリード)、ルート図には右のカンテとハングを越えると書かれているが、直上して行き詰まる人が多いと言われるルート.あちこちにハーケン見える.ビンも途中から左上しようとしたりで迷ってしまったのですが岩陰でよく見えず、ハーケン打ってそこに留まってもらうことに.結局カンテを越えずにそのまま直上してしまっていました.しかしカンテもこれはカンテなのか?というちっちゃい代物で、ハングもこれがハング?と言うもの.ルート解説に囚われると迷いそうだが、まあもっとも登りやすそうなところを選べば自然と本来のルートになると思う.ゴルがそのまま次の確保支点まで.ビンも直上したところからカンテを越えて問題なく復帰.
さて6ピッチ目が例の2年前崩落したところです.昔変チから見た時はおー、凄いと思ったが、目の前にするとむしろコケも草も付かないきれいな岩が姿を現したという感じでした.ここは崩落箇所の右側をビンリードで登っていく.昔から登っている人がいたのかあちらこちらにハーケンが打たれていました.4ピッチ目より難しかった.4ピッチ目がV級ならV+くらいか.フリーだとすごく怖い.7ピッチ目(ゴルリード)は左右2ルートのうち右へ.バンドを右に行って凹角という話だが傾斜の強いボウボウの草付きだった.手には困らないが大変.ピンも見あたらずナチプロ2つとって登る.左の直上するルートの方が良さそうに見えました.合流地点からさらにピンのない岩壁を登って.クラックのすぐ下まで.最終ピッチは多少ハングしているが、クラックなので問題なし.終了点へ.
終了点からは衝立の頭に向けて岩の左側を回り込む.途中さらに岩の左右に分かれる場所があり、どちらにも懸垂支点が設置されている.ただし右側は中央稜を下降することになるので、左側へ.多分コップの底に下りるためのその左の懸垂支点を5mだけ下り、中央稜終了点を通過し、さらにしばらく歩いて北稜の懸垂支点へ.中央稜を登った2, 3パーティーはそのまま登ったところを下りたようで北稜は我々だけ.ダイレクトカンテを登ると言っていた人達はさっさと登ったのか、或いは他のルートに変えたのか見当たらず.出合に黒い5,60人の集団がゾロゾロ連なっているのが見えた.さらに駐車場に3,40人の白い集団が.動くスピードから見て歩きではなく、自転車だったのか?3,40人の自転車?なんだったのでしょうか.
北稜をズンズン下りて、コップスラブを渡り、アプローチシューズに履き替えたのが14時.ここまでは問題なし.しかしもうここから1時間で着くと思ったのが間違いでした、、、、、
衝立前沢に水が流れていたのもあるのですが、コケでヌルヌルして滑る滑る.もう4本足状態.前下りた時はこんなに滑らなかったはず.精神的にすごく疲れた.本谷が見える懸垂場所に着いたところでアルパインクライミングメールに紹介された左の大岩の道というところに行ってみました.岩の下側から裏に回ると踏み跡に見えなくもないが、単に下草が生えてないだけに見えるものが続いていたので行ってみると100mほど下ったところで行き止まり.人が頻繁に下りているようにも見えなかったので諦めて戻ることにしました.大岩の周辺を探してみるも踏み跡らしきものはなし.メールに書いてあったケルンも見当たらず.大岩を懸垂して、さらに連瀑を懸垂.ここで谷が開けたためかやっと石が滑らなくなった.ホッとして高巻き場所まで下る.もちろん高巻きは怖いし、落ちたら死ぬけど、滑る岩(こっちは滑っても怪我ですむが)に比べれば数段ましに思えた.出合にはあー、やっと着いたと思いました.行動時間11時間半.核心はテールリッジの登りと衝立前沢の下りでした.こんなに疲れると思いませんでした.
本谷の雪渓ですが、もう少しで消えそうです.南稜バルコニーの下あたりに亀裂の入りまくった雪渓が長さ100m弱残っている程度.崩壊したブロックの塊が二ノ沢出合に転がっていました.10月にはなくなってるかな.遡行したい人(一孝?)どうですか〜?
お疲れさまでした。特に下降は最後まで緊張感抜かないようにしないとね。
ところで、報告は本名で書いてね、よろしく。あれ?改名?
投稿情報: 管理人-鶴多郎 | 2007/09/09 12:39
そういえば北稜下降の4ピッチ目で危うくロープが足りなくなるところでした.前に歩いて下りたところなので甘く見ておりました.
ちなみに"日本の岩壁"だと「北稜の下降は3ピッチ下りた後で少しコップスラブ側に移動し、それから懸垂.そうしないと衝立岩の正面に出てしまう」とか書いてありましたが、今回記憶を頼りに3ピッチ目以降もまっすぐ懸垂したところ問題なく空中懸垂の場所まで着きました.ちなみに3ピッチ目の下りた場所から先、コップスラブ方面に踏み跡が続いており、行ってみましたが懸垂支点は見当たらず、踏み跡も途中で消えておりました.
またひょんぐりを巻く際の懸垂下降ですが、新しい固定ロープが張ってあったので、それを使って懸垂したのですが(←初めて)、ゴボウ用だったようで、面倒で時間がかかりました.先がどうなっているか分からないことを考えても自分のロープを使うべきだとビンとの結論に達しました.
投稿情報: ごるご | 2007/09/12 00:22
名前を本名に変えましたよ.
そうそう、書き忘れておりましたが、ビンの岩登り、ロープさばきのスピードは格段にアップしてましたよ〜.さすが1ヶ月の岩漬け生活.
投稿情報: ごるご | 2007/09/13 17:17