7月19日
イッコーさん、ノジ
6時三条新橋。7時10分入渓。11時50分登山道。14時下山。
この雨で、連休の太田切の計画も、葛根田沢の計画も無理になってしまい、著しく落ち込んだ木曜日の夜、つらつらと沢本を眺めていて、ふと、おお、ここなら一人でも行けるんじゃないか、と思い立ったのが大黒茂である。実はこの沢は、以前も単独遡行を計画して、何らかの理由で断念したことのある沢で、それなりに下調べはしてあった。
先輩方のお許しをいただいて計画書を提出すると、イッコーさんが一緒に来て下さるという。大先輩をお連れするのにはいささか恐れ多いような沢ではあるが、一緒に来て下さるのであればノジとしてもこれほど安心なことはない。というわけで、二人で大黒茂沢に向かう。
前夜、丹波の道の駅でテントを張る。これが非常に快適でぐっすり眠る、自室で眠るよりよく寝たんじゃなかろうか。翌朝4時半、かしましいほどの鳥の声でとても気分よく目が覚める。イッコーさんイッコーさん、朝ですよ、と声をかけるがまだ寝ていらっしゃる。なのでノジももう少しうとうとする。30分後。イッコーさんはまだ寝ている。起こして、ふとテントの外を見ると、とてもどんよりしていてあまり気合の入る天気ではない。うーむ。イッコーさんは眠り続けている。が、今日は午後から雨が降る予報である、あまり遅くなってはいけない。イッコーさんを揺さぶり起こし、登山口に向かう。
ノジの靴はアクアステルスである。この沢は絶対にフェルト向きだとは思ったのだが、いかんせん、急な計画だったのでフェルト靴を探す時間を取れなかったのだ。滑るだろうなあ、とは思っていましたが…
いや~滑りました。まず最初の大岩からしてかなり滑った。次のゴルジュのヘツリも滑った。その次の連瀑帯のあたりからだいたい、滑りの感じをつかむことができ、滑りながらもそれなりに歩けるようになった。
ま、特に大きい滝があるわけでもないが、小さな滝とゴルジュとナメをちょこちょこと繰り返しながら登っていく。なかなか楽しい。とにかくノジとしては、一応沢に来ることができただけで大満足である。
二俣を過ぎ、行程も3分の2を過ぎることになると沢は深く苔むしてくる。まるで日本庭園のようでなかなか気分がよろしい。小規模ながら、美しい滝がいくつかかかり、快適に超えられる。
雨の直後(というか雨の合間?)のせいか水量は多く、最後まで水が尽きない。これは非常によかった。水がなかなか涸れず、かなり上のガレ場までほとんど水と一緒にいられたのはとても楽しかった。ネットで見る限り、奥の方は水が枯れ、岩のボルダリング状態だったという記録もあったのだが、こういう沢は雨の合間に来た方が楽しめるだろう。
最後の奥の二俣は、イッコーさんのトポだと右、私のトポだと左に行けとある。藪漕ぎは可及的に避けたい。考えた末左へ。これが功を奏し、全く藪漕ぎなく、あっさりと登山道に出ました。あとは牛首谷を下り、延々と車道を歩いて車に戻る、とたんにざああっと雨が降ってくる。さすがにイッコーさんは日ごろの行いが素晴らしいと見える。のめこいの湯に浸かって帰京。
もちろん、アルプスや東北の沢のような明るさは美しさはないけれど、ま、これはこれでいいんじゃないでしょうか。ノジとしては、全く沢に入れないのではないかと落ち込んでいたところだったので、これで十分です。満足であります。お付き合いいただいたイッコーさんありがとうございました。太田切も葛根田も、ぜひ、リベンジいたしましょう。
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