6月15日 ノジ 9時駐車場発→9時50分物見橋、入渓→10時50分二俣→13時半稜線→14時15分四郎岳→15時下降開始→17時30分駐車場
尾瀬の沢は、優しい感じできれいで、単独で来るにはもってこいで、気に入ってたまに来ています。今回は大薙沢。
記録を見ると、四郎岳のピークハントを入れると一泊した方がいいらしい。なので、泊りの全装備をしょい込んで出発。おとといまでの雨で増水していないか、雪渓が残っていないかと心配しながら林道をとことこと歩く。すぐに入渓地点。最初の滝を超えてすぐ、トロッコの軌道跡が沢にかかる、その下に大きな釜を持った淵がある。ここで腰までつかる。
これを超えたところに雪渓がありぎょっとする。しかしありがたいことにすぐに消えてくれ、左俣遡行中、雪渓に悩まされることはなかった。
入渓して1時間で二俣が現れる。ガイドブックよりもずいぶん早い二俣の出現に地形図を睨み付けて悩む。これ、どう見ても1対1の二俣だよね。地図をみてもどう見てもそうだよね。間違ってたらいやだな…。ま、これが二俣だと決めつけて左に。その後すぐ、右から枝沢、そして滝と左からの枝沢が入る。ふむ、間違ってはいないようだ。
いくつか簡単な滝を超える。7メートルすだれ状の滝はとても美しく簡単に登れる。あっという間に、核心3段20メートルの滝が現れる。マキは右に明らかな道がついてるんだけど、これはやっぱり登りたい。
近寄って検分。ホールドが細かい。空身だったら余裕で登れるが、何と言っても泊まりの装備をしょっている。これでずるっといったらいやだなと思い、ロープを出してザックに結び、空身で登り、上から引っ張り上げる。
次の倒木10メートル。ガイドブックにあるとおり、最後のトラバースの一歩がいやらしい。ずるっといったらおしまいだ。空身なら余裕だけど…。逡巡しまくった結果、再度ロープを出して空身で登り、終わった後にザックを引っ張り上げる。登り終わってザックと再会したときにはうれしかった。
なお、記録をみると「二俣からこの10メートル滝までは、黒い悪魔のような滑りまくる苔が生えている」というものが散見される。心配していたのだが今回は悪魔はいなかった。アクアステルスのよく効く、快適な登りでした。
さて、ここから先のツメで、沢を間違え、猛烈な藪漕ぎになり、かなり燕巣側の稜線に詰め上げてしまった、という記録も結構あった。なのでここからはコンパスと地形図を握りしめながら慎重に歩く、と、おそらく最後と思われる二俣が現れる。
確かに、一見すれば水流は左。右はボサがかかり嫌な感じ、だけど地図を見りゃ、これは右だよね…。迷いながら右に踏み込む。倒木やらで歩きにくい、うむ~これ間違ってたら、ここを戻るのかね、それは嫌だなと思いながらさらに数メートルあるく、と、ボサが終わり、何やら踏み跡のようなものが見える。これって踏み跡?だと嬉しいなあ…。でもぬか喜びかも…とどきどきしながらもう少し行くと、踏み跡はだんだんはっきりしていくではありませんか。そしてあっけなく、全く藪漕ぎなく、稜線に抜けた。やったああ。万歳。まんせー。ハラショー。
誰もいない稜線から反対側を見ると鬼怒沼が見える。地図読みが当たって藪漕ぎなく詰め上げきったときのヨロコビでニタニタしながら、ひとり、四郎岳の頂上に立つ。かなりうれしい。
さて、次の難関は下降点の発見。これまた記録によれば、「登山道並みに明瞭な踏み跡がある」らしい。どれどれ…とやはり地図をにらみながら歩く…が、その必要はなかった。確かに!これは登山道並みに立派な下降路です。どんなもんか気になる方はぜひ見に行ってください。これは、間違えようがない。
降りていくと、雪渓が出てきて再びぎょっとする。まあ、大したものではありませんでしたが、ところどころ薄そうなので、やはり慎重に降りる。
この雪渓が終わってすぐ、ナメが現れる。これは、確かにすごい。すごいです。延々と廊下のようにナメが続き、一見の価値がある。
気をよくしてどんどん降りるうちに3段10メートルの滝、簡単にクライムダウンできます。ここでナメの廊下はおしまい。しばらくゴーロ歩き。右手に素晴らしいテンバがある。だけど時間はまだ16時。ここまで来ちゃったら、幕営しないで降りてしまおう、と思い、降り続ける。
後はなんということもないです。あっさり二俣に戻り、トロッコ軌道の下をくぐって駐車場到着。
まあ、滝らしい滝は3段20メートルとその直後の倒木10メートルだけで、登りっていう意味ではちょっと物足りないかもしれませんが、単独ならこれで十分。稜線まで詰め上げて、ピークハントもできて、帰りに素晴らしいナメの廊下を堪能できる。ビビりすぎるような恐ろしいところも、消耗する藪漕ぎもなく、仕事に疲れたときにぶらっと来るには全く適度なところでした。
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