4月5日 野島、会員外1名
単独でちょっくらハイキング、と思ったが、いつも行きたい、行きたいという父親を一応誘っておく。父は酒飲みである、どうせ土曜日の朝なんか起きないだろうと思ったら、なんと当日朝5時私より早く起きているではないか。おお、よかった。早速二人して下仁田を目指す。
シラケ山は、まず、天狗岩まで登り、次にシラケ山を登り、それから岩稜帯を経てマルというピークを越え、最後に烏帽子岩まで達し、復路は岩稜帯を巻き横道を通って登山口に戻るというコース。登山口駐車場は結構広い、一台、先行車両あり男性が登山の支度を整えている。奥多摩の山に比べたら静かなもんです。
春になるとニリンソウが美しいというコースですが、まだ何も芽吹いていない。しかし晴れた空の下、まだ葉のない明るい雑木林をとことこと歩くのは楽しい。すぐに天狗岩を過ぎ、シラケ山1274mに達する。本来ここからやや下り気味に岩稜帯を超えて烏帽子岩1182mに向かうのだが、道を間違って横道に入り込んでしまう。なので、烏帽子岩から戻るときに岩稜帯を通ってみる。
まあ、なんということもない岩稜帯ですが、一般登山道にしてはスリリングで高度感があり、いくつかのピークを越えていくのはなかなか楽しい。それぞれのピークからは360度の展望、真っ白な浅間山や谷川の連峰を望むことができる。初めての山に父も満足そうである。無事にシラケ山まで戻り、そこから今度は雪渓を下って下山。
往復4時間くらいの簡単なハイキング。登山口のすぐ近くに、温泉とうどん屋がある。父に言わせるとこのうどん屋が有名なのだそうだ。へえ、じゃあ温泉入ってからお昼たべよっか、と私が言うと父は、いや先にうどんだ、売り切れちゃったら大変だ、という。こんな辺鄙なところにあるうどん屋のうどんが売り切れるかいな、と思いながらうどん屋に入る。小さな小さな建物である。
入ると、老夫婦がうどんを作っている。おじいちゃんがお茶と漬物を持ってくる。メニューはない。入ったら最後全員に対し、「野菜天ぷらうどん」が、無言のまま出てくることになる。
待っている間、次から次へとお客が入ってくる。みな地元の人のようで、「じいちゃん、まだあるかい。もうないかい。」と尋ねながら入ってくる。3人目くらいからじいちゃん「ごめんねえ、もうないわ」と答えだす。ふむ、温泉より先にうどんにしてよかったようだ。
で、でてきた野菜天ぷらうどん。大量である。天ぷらも大きい、揚げたてが2つ、それにゆで卵がででんと乗っている。おいしい。しかし食べきれない。父も食べきれなかったほどである。
一杯600円。勘定を済ませ、温泉に向かう。こちらも一人600円。受付に人はいない。勝手に、券売機から券を買って、それを「券入れ」に入れて、そのまま温泉に向かえばよいらしい。あまりに、全面的に、性善説に立脚する商売方法に、こちらが不安になってしまう。
風呂場はきれいだし、シャンプーとコンディショナーはきちんと別々に備えられている。温泉の質も結構良い。
こぢんまりとした静かな山をのんびり歩き、さくっと下山しておじいちゃんの手打ちうどんを食べ、良い湯に浸かって、渋滞が始まる前に東京に戻る、こんな山も良いと思うのです。十分に楽しめた山行でした。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。