2014年3月1~2日 天候:両日共に 曇り時々弱い雨雪 気温:寒くない
メンバー:ビン(CL)、たね、マス(記) ・・・敬称略
冬山シーズン初めに行われた雪上訓練から2ヵ月・・・。
今回はこれから挑む“たんまり雪を纏った山”に向けたコアな雪上訓練を行いました。
訓練地の谷川岳は週半ばからの気温の上昇で雪はグズグズ、天気はイマイチ。
ルートに入るにはコンディションが宜しくないので、訓練にはモッテコイの週末となりました。
訓練初日・・・
関越道の渋滞と格闘しながら集まったメンバーは、谷川岳ロープウェイ駅から田尻尾根を登ります。
整地されたスキー場のコースから尾根に入ると、膝まで潜るラッセルの始まりです。
音もなくスイスイと上昇していくロープウェイを睨みつけながらしばらく進むと、樹林帯が途切れて天神尾根との合流地点近くまでやって来ました。
天神尾根を少し進んで本日のメインディッシュ訓練『雪洞作り』が開始されます。
本日は一級建築士の妹尾氏をお招きして、理想的なマイホームの作り方についてレクチャーを受けます。
積雪量の多い山岳地帯では、テントよりも堅牢かつ快適な雪洞を作らない手はありません。
雪洞作りの手順
①適当な斜面を見つける。
②掘り始める前に、ゾンデ棒(プローブ)などがあれば雪の量はしっかりとあるか、山肌に当たらないかを調べる。
③雪洞の上を人が歩かないように目印を立てておく。
④穴掘り開始。今回は斜面に対して長方形を区切り、“コの字”に掘り進めていきます。
⑤雪はスコップでブロック状にカットして掘り出し、ある程度の量を雪洞の脇に積んでおきます。
⑥十分な空間を確保出来たら、積んでおいた雪のブロックで入口を残して雪洞を塞ぎます。
⑦入口に高めの敷居を作ると冷気が入り込みにくくなります。
⑧天井を平らにしておかないと、煮炊きの熱で尖ったところから水が垂れてくるので均しておきます。
⑨雪洞内の壁は適当にくり抜いて、棚などお好みで。
⑩入口をツェルトなどで覆って完成。
かなりの重労働ではありましたが、3時間かけて言葉を失う程の快適空間が出来上がりました。
頑張って広く作った為か、思っていたよりもジメジメした感じはなくテントと違いはありません。
雪洞の利点はスペースの自由が利く所、外気からの遮断で風雪にビクともしない所、水作りがラクな所(壁を削れば良い)などなど・・・良いトコだらけです。
そして何より、テントならば匂いが生地についてしまい敬遠されがちな料理も気兼ねなく出来ます。
焼肉を爆発させても、臭いと脂と煙は壁に吸収されてゆくです。ナントイウコトデショウ!
食事の後は広々空間で手足を伸ばしてグッスリ眠る事が出来ました。
訓練二日目・・・
朝から空は雲で覆われ、弱い雪が降っています。
食事を済ませて仕度を整え、この日は肩の小屋を経由して西黒尾根を下ります。
谷川岳の稜線は片側が切れ落ちていたり、雪庇になっていたり、油断のならない地形であるのはご存知の通りです。
そしてこの日はオアツラエ向きに稜線付近がガスで視界が悪く、皆苦手な地図読み(ワタシだけですか、そうですか。スンマセン。)には最適です。
僅かな目印も見逃すまいと眼を見開いて尾根を進んでいきます。
長い事上下左右真っ白な空間を凝視していると眼球がオカシクなりそうです。
視界の先にボンヤリと浮かび上がった肩の小屋を見つけた時はホッとしました。
しかし、これでは終わらず、まだ西黒尾根の急峻な下りが残っています。
天神尾根に比べてヤセた尾根が続くので緊張感があります。
しばらく下ると樹林帯の広い尾根筋に入り、やっと滑落の緊張感から解放されます。
そして斜面がやや平らになった地点で開かれた『ビーコン捜索訓練』。
雪崩で仲間が埋まった事を想定して、探し当てる練習を行いました。
本日はジェダイマスターの妹尾氏にお越しいただき、若きジェダイに正しいフォース(ビーコン)の使い方を伝授してもらいます。
実際に一人を生き埋めに・・・するのは手間なので、ビーコンを雪の中に埋めてもう一人が捜索にあたります。
仲間が雪崩に巻き込まれた際は、“消失点”からジグザグに横移動をしながら動き、ビーコンの反応を確認してポイントを絞っていきます。
10分を境に助かる可能性はグッと落ちてしまうので、掘る時間も含めると失敗は許されません。
シングルアンテナのフォースと比べると、やはり3アンテナのフォースは探すのがラクです。
シングルフォースのジェダイは10分で探す事が出来ませんでした。実際に埋まらなくてヨカッター。
つまり、探し出す確率が高い3アンテナを持つメンバーは大事にしなくてはいけないのです。(問題発言)
・・・以上、大充実の内容をもって終了したハイグレード雪上訓練。
雪の質や量により、臨機応変に対応出来る事が肝要なのですね。
今回教えていただいた技術はよく反芻して、シッカリと同胞・後進に伝えていきたいと思います。
ご指導有り難う御座いました。
コメント
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