6月17日 日置、他二名
前日はロープエー駅に泊まり、朝一番で出発。今年は残雪が多いようで出合からテールリッヂまでまだまだ一直線に歩いていける。我々の他には前方に二人組みが歩いているのみ。
中央稜の取付きで二人組みに追いつく。中国語で話をしているとどちらからですかと聞いてくる。台湾ですと答えて暫くお話していると、最後に日本語上手ですねだって。ちょっと待ってくれよ、俺は生まれも育ちも日本の、100パーセント純国産日本人ですよ、まったく見ればわかるでしょうに。
気を取り直して登攀開始。日本のアルパインルートももう何度か登っているので、今日俺はリードしないぞと宣言させてもらった。下3ピッチは林政翰がリード。岩登りそのものは全く問題ないが、確保点についてからが遅い。慣れないだけで変なことはしていないだろうと気長に待つことにした。登っていくと支点は見事に蜘蛛の巣ようになっている。まあ間違ってるわけじゃないからいいか。2ピッチめの終わりで少しルートを間違えたが、少し下りてから登りなおし、すぐにもとのルートに戻れた。
4ピッチめからは林昆明。4ピッチ目は核心ピッチということで少し難しかった。ホールドが取れたらどうしようとだいぶびびったようである。その先は特に問題なし。
最後にお前も登れと言われてしまったので、6ピッチめだけ登ることにした。岩硬く簡単で高度感があり非常に気持ちいい。なんかいいところだけ登らせてもらったようでちょっと悪い感じがした。
本来であれば衝立の頭までもう3ピッチくらいあるようだが、これ先を登ってしまうと下降の時にロープが引っかかりそうなのでここで終わりにすることにした。それでも最初の1ピッチいきなり引っかかる。ちょっと登り返したらとれた。さてさてとロープを引くとまた引っかかってしまった。さっき登り返したばっかりなので溜息をついていると林政翰が登るという。せっかくなので行ってもらうが、その後なかなか下りてこない。やっぱり自分で行けばよかったなと後悔する。
それからは順調に下降してテールリッヂに戻れた。梅雨に入っていたが、唯一晴れマークがついていた日を狙って入ったので一日中天気がよく楽しく登ることができた。予定していた北岳には行かれなかったけれど、とりあえずアルパインルートを一本登れたので、彼らも満足したようだった。
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