続いて後編です。
4日 8:30庵・鹿川~9:00鹿川キャンプ場駐車場
~9:30大長征ルート取付~15:00終了点
~取付き15:45~庵・鹿川18:00
比叡には登りたいルートがまだまだあるものの、『鉾岳の巨大スラブも一登の
価値ありだよ』というF山サンの一言で鉾岳へ向かう。車を庵から30分ほど
走らせて鹿川キャンプ場に到着、そこから30分ほど歩くと突然、巨大な
スラブが現れた。そのスケール・異様な光景?たるや、確かに
『一登の価値』はあるだろう。
今回トライするのは、前半を『美しきトラバースルート』、後半を
『大滝左ルート』につなげるルート。T橋・M金組が先行し、F山・H松・妹尾組が
それに続いた。注:)手元にトポがなかったんで、グレードは某ネット情報を
引用、半信半疑でドウゾ。
1P(Ⅳ級-):H松リード、傾斜が緩くボルトが容赦なく遠い、を体現するピッチ。
終了点手前は慎重に。フリクションを信じればフォローは駆け
上がるように登れる。
2P(Ⅳ級):妹尾リード、やっぱり駆け上がる。
3P(Ⅳ級):F山リード、松の木目指して駆け上がる。
4P(Ⅳ級-):妹尾リード、ここからトラバースが始まるが、ホールドも適度にあり
フリクションも良いので快適な散歩ピッチ。
5P(V級?):H松リード、続いてトラバースだが、出だしで少し右上し、さらに
クライムダウンなどが入る。
6P(Ⅲ級):F山リード、巨大スラブに走るバンドをてくてく散歩。
7P(V級):妹尾リード、ここまでのお散歩気分でいると痛い目にあう。
傾斜がキツイスラブを直登。このピッチで、初めてボルト間隔の
遠さが精神的にプレッシャーとなる。細かいスタンス・ホールドを、
花崗岩のフリクションを信じながら登る。
8P(Ⅴ級+):H松リード、引き続き傾斜が強いスラブ。このグレードをリード
るのは初めて?という不安を隠せないH松サン。『危ないから俺が
行くよ』というのは簡単だが、それでは結局なにも得られない。
妹尾の周りに居た先輩方も、きっとヒヤヒヤしながら、それでも
決して『行くな』とは言わず登らせてくれたわけで。これからは
少しづつ、でもそういうふうに”見守れる"先輩になりたい・・・。
『堕ちても必ず止めるから、気をつけて行ってこい』とH松サンを
見送る。もし1ピン目手前で堕ちれば、ビレイヤーを直撃する。
だが彼なら大丈夫、そうですよね?F山サン・・・と振り向くと、
F山サンは微笑みながら、そっと妹尾の後ろに身を隠すので
あった(笑)。H松サンは見事このピッチをOS。年下の成長を
目の当たりにするのは本当にいい刺激となる。よい登攀を見せて
もらった。先に登っていたT橋・M金組は頂上から声援を送ってくれた。
9P(Ⅳ級-):F山リード、坊主岩の下部をトラバース。
10P(Ⅳ級):F山リード、このピッチはF山サンが置くのOW、H松サンが
手前クラック、妹尾が手前クラックで上部はさらにH松サンと
異なるという三者三様ライン。
頂上は風光明媚で平らな岩場。裸足でしばしマッタリする。下降は2P
懸垂下降後、Fixロープが続く急斜面を下るが、かなり急なので
運動靴だと慎重に。
駐車場手前で。T橋・M金組に追いつき、今日は昨晩のご教示通り、『早めに
宴会』を心がける。が、3日目なのでF山サン・H松サン・妹尾の三人で
高千穂のスーパーへ買出し。夕飯まで待ちきれず、スーパーでコロッケやら
アイスやら買い食い。サイコ~。庵の最後の夜は焼肉。本能のまま
登り・呑み・喰い、最高な3日間でした。
5日 9:00庵・鹿川~9:45JR延岡駅~15:30鹿児島港
~16:30金峰山駐車場~20:00金峰山手前野外広場
本日は名残惜しくも庵・鹿川を離れる。中国・四川で御一緒させて頂いた
H井サンと談笑しつつ、いざ出発。JR延岡駅で本日帰京のT橋サンと
お別れし、M金サンの提案で、数年前に小山田大サンなどにより拓かれた
鹿児島・金峰山のボルダーエリアへ向かう。
宮崎で昼飯食べたり、鹿児島港で桜島見たり、観光しながら夕方に
金峰山に到着。ボルダーは道路脇にあるというので車を少し走らせると、
ちょうどボルダラーの方が帰るところ。時間はあまりないが、早速トライ開始。
まずは駐車スペースすぐ下のマントラ岩へ。
カツラ(4級 SD):左手の縦ホールドと右足で窮屈なスタートから右のカチを取り、
そこから右手ガバを取り右上するが、このガバからの
セクションがキツイキツイ。妹尾は3手めすら難儀する始末で
撃沈。
次に大岩へ
AKIKO(8級):大岩の左端にあるカンテっぽいラインの直登。フリクションが
良いので悪そうなホールドも結構持てる。無事1撃。
コ毛バラ(7級):開脚して岩にへばりつくようにして(笑)、7級にしては
辛いホールドをつなぐ。4撃くらい?
F山サンはJUNICHI(3級)をトライするが、中間部の外傾ホールドが続く核心に
苦労していた模様。妹尾も少し触ったが、ムリ。てかムリ。
気が付くと、もう19時を過ぎて辺りは鬱蒼としてきたので、撤収。
少し車を走らせて買出し後、金峰山手前の野外広場にて幕営。
本日の夕食はトリの刺身(でしたっけ?)。これが激ウマ。トリだけどウマ。
鍋もウマ。酒もウマ。調子が出てきたので、F山サンにオ『フウィズスの歌』を
教わる。
・・・キャ~メの五番が開き気味~、ズリ・ズリ・ズリ~、
のぼ~れない、おち~れない・・・。
よく覚えてませんが、とにかくクダラナイ話で笑い転げた一晩でした。
6日 8:00金峰山手前野外広場~13:00北九州・門司港SA
~14:30山口・陶ヶ岳~7日4:30JR武蔵小杉駅
本日こそ、往路では叶わなかった広島・三倉へ・・・のはずが朝は雨。
しかし、鹿児島と広島は距離もあるし、かすかな希望を抱き車を走らせる。
昼時になって、門司港SAに寄る。福岡なのに、佐世保バーガーの誘惑に
撃沈。ウマイ。でも一個が結構高い。こんな贅沢東京だったら
絶対しないだろうな。恐るべし、遠征パワー(?)。
しかし、期待もむなしくどうも天気は芳しくない。広島は諦めて、撤収の簡単な
ボルダーを求めて山口・陶ヶ岳へ向かう。ICを降りて、手前の小学校付近の
スペースに車を停めて、小学校浦の登山口から雨上がりの鬱蒼とした山道を
歩く。トポなら15分程度とあったが、道がぬかるんでいたり、初見で分岐が
判りにくいなどあって25分以上はかかる。で、クジラ岩に到着したとたん
・・・ポツリ・・・ポツリ・・・(泣)。
まあ、天候によるところも大きいと思いますが、鬱蒼とした雰囲気やランディングの
悪そうな課題など、ちょっと残念な印象でした(苦笑)。てな訳で、明日も天気が
悪そうなので、残念ながら今ツアーはこれでおしまいとし、お風呂に入って再び
4人総動員の運転で翌朝には帰京しました。この日は金曜日。本来ならお休みを
貰っていたはずなのですが、帰宅後、慌しく準備をして出勤しましたよ、ええ。
貧乏人にヒマはないのです・・・。
******************************総括******************************
【九州の岩場】
ずっと楽しみにしていた、宮崎の岩場へとうとう行けました。
素晴らしいマルチに、なんといっても庵・鹿川の居心地の良さ。
懐の深い九州クライマーの方々のおかげで、飲む・喰う・寝る・登るという、
本能のままな生活が送れ、最高な3日間でした。願わくば、1~2週間ぐらい
居座りたいモンです(笑い)。
【ボルダー】
今回は、ボルダーの比率が高かったですね。でもあなどりがたし(笑)。
ボルダーやってれば、絶対にフリーに役立つし、ひいてはアルパイン、最終的に
冬壁にまでよい影響をもたらすかと。てなワケで、クラッシュパッド買うこと
にしました。車も買いましたしね。皆様、是非一度ボルダー山行行きましょう!
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。