20170707、のじ、単独。
忘れてたんすよね。上信越の沢の、雪の恐ろしさを。
土日ともにオシゴトってことで、急遽休みを取って関越をかっとばし、土樽から駐車場に車デポ、取水口から茂倉谷に。
水量多い。忘れてたんすよね。ここ、2日前に大雨が
降って、警戒警報が出て大変な騒ぎになってることを。
記録みると沢自体は大したことないってのが多いのだけれども、この水量のおかげで、がんがんのシャワークライム。なかなか楽しめる。ウドを取ったり、シラネアオイの花の写真を撮ったり。
そうこの時点で気が付くべきだったのだ。だいたいウドが出てるってことは雪渓が消えたばかりだということ。ということは上に行けば行くほど雪が出てくる、ということを。
7月だし東京猛暑だし、そんなこと全く忘れてた。去年は、7月から越後の沢で遊んでもなんでもなかったのだが、それは去年が、激烈に寡雪だったからってだけだったんだ。いつもはあるんだよね。この時期、雪渓。そのことをすっかり、忘れてた。
1200メートルあたりから雪が出てきて、1400あたりからやばい感じのスノーブリッジの下を、ひいひい言いながら走り抜けたり、必死で雪渓の上によじ登ったりするようになる。そして1500メートルに差し掛かったあたりで、ああ、もう、こりゃだめだ。無理。って観念した。スノーブリッジは先が見えていないし、雪渓も悪辣な感じでよじ登れない。
さてどうする。時すでに13時。今から来た沢を下降するのは危ない。枝沢に逃げて稜線を目指すしかない。地図をにらむ。ここからかすかな枝沢に入り、まっすぐ1750メートル地点稜線をめざすのが登山道への最短距離。ただし、標高差にして250メートルの、藪漕ぎ!!
うー。ありがたくはない。しかし明るいうちに安全地帯に出るためにはこれしかない。もちろんビバークすれば同ルート下降もできるだろうけど、なんたって明日は仕事だ。
というわけで腹を決めて枝沢に突っ込む。水はすぐに枯れ、沢型もすぐに消え、あとは喘ぎなら藪をかき分けかき分けかき分ける。藪漕ぎというより背丈より高い笹藪の中を泳いでいる。
だが、1700メートルに近づいたころから、さしもの藪も少し背丈が短くなり、うっすらと稜線が見える。やったやった。再度のひと踏ん張り、15時に、ピンポイントに、目指す1750メートル稜線登山道に、ドンピシャで出た。
野島的には、何よりもこれが大事なんですね。目指す稜線にドンピシャで出るということ。それは遡行中、正しく現在位置を把握し続けていた、ということの証左であり、地図読みを誤らなかった、ということであり、それは単独行の多い私にとって、ものすごく大事なことなんです。
というわけで、本流完全遡行はなりませんでした。本流なら45分だった藪漕ぎが、まる2時間になっちゃいました。でも満足です。とっても楽しかった。久しぶりにまともな沢に行きました。佐野さん、下山連絡先、さんきゅです!
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。