2015年1月24日(土)～25日(日)前夜発一泊二日
メンバー：CLビン(記)、アタル
なかなか今シーズン、自身で満足できるアイスクライミングが
できていないが、1月上旬に見た戸台の希少なルート『象の鼻』が
忘れられず、アタルさんに頼んでトライしました。
行程1/24：5:00戸台駐車場～11:00七丈の滝沢F1～12:00/12:30F1終了点
～13:00七丈の滝F3取付～15:00七丈の滝F1終了点
夜明け前に戸台の駐車場をスタート。2日前の降雪で前回のような高速道路トレースは完全に消滅しているが、ツボ足のトレースがかろうじてある。途中、単独行者の方が『五丈の滝は登れなかった(´･ω･`)』と引き返してきた。やはり昨日今日と暖かいので･･･南面にある象の鼻は大丈夫だろうか？と心配。ツボ足のトレースがあるといっても、歩きづらく結局七丈の滝沢出合に到着までに駐車場から6時間もかかってしまった。
今回は初日にサクッと前回足の痛みのため登れなかった七丈の滝を登り、そのままF1終了点の広い河原でテントを張り、翌日象の鼻を狙う作戦。F1を登ってテントを張り、さあ七丈の滝へ。しかし・・・暑い！！快晴で日当たり最強、風も無く汗ダラダラ。
そして心配したとおり、午後の暑い日差しをモロに受けた七丈の滝はガンガン落氷が発生。周囲の崖からはあろうことか落氷に混じって落石も！F3をアタルさんリードでスタートしたが、危険ということですぐに中止。危険を冒してまで登るルートではないのでまた来年･･･ということで下降し、象の鼻の取付とラインの確認をして本日は終了。
明日に備え、夕食は焼肉＆鍋でガッツリ英気を養う。
行程1/25：5:30F1終了点～6:30象の鼻1P取付～11:00象の鼻4P終了点
～13:00象の鼻1P取付～14:00七丈の滝沢出合～17:00戸台駐車場
前日の偵察で『午後になると落氷がヤバイ』と痛感したので、午前中に登りきることが絶対条件。ヘッデンでスタート。グレードは私の体感。
1P(Ⅴ＋級)：アタルリード。傾斜が強い部分もあるが長くは無い。ただし、氷がスカスカの部分が多くスクリューの打ち方は経験が必要。墜落すればスクリューが1～2本ぐらいは抜ける。氷の繋がっている(登れる)場所を追いかけて、左右に迂回しながら登る非常にデリケートなピッチ。アタルさんお見事！
2P(Ⅳ－級)：ビンリード。ハング下をトラバース。簡単だが、氷の無い(薄い)岩セクションがあり、やはり墜落はできない。
3P(Ⅴ＋級)：アタルリード。一番楽しいピッチ。氷結もまあまあ、傾斜もそこそこ。
4P(Ⅵ－級？)：ビンリード。最終にして核心ピッチ。2週間前に登っているぶ〇の会パーティーとは違うラインでトライ。別に難しさを追求したワケではなく、そちらの方が弱点に見えたから。水っぽい氷でアックスの刺さりは良い。ただしツララの集合体で、プロテクションがよろしくない。このピッチで打ち込んだスクリューのうち、半分は墜落に耐えない？フォローのアタルさん曰く『スクリュー2本くらいは素手で引っこ抜けた』らしい(真偽は不明･･･笑)。残念ながら、アックステンションを1回いれてしまい非常に無念。終了点は適当に潅木でビレイ。
さて、無事完登してもまだ緊張は続く。事前情報の少ない下降が残っている。落氷が怖いので同ルート下降は論外。前日の観察だと、ルート左の樹林地帯が下降できそう。
1回目の懸垂は思い切って、ルートから大きく左方向の崖に飛び出す。空中懸垂を交えて最終ピッチ取付があるバンドにたどり着く。そのままさらに左方向へトラバース気味に降りると大きな樹林斜面に到達。
2回目の懸垂はそのまま緩斜面の樹林帯を念のため懸垂で下る。
3回目の懸垂は、若干不安だったが比較的しっかりした枯れ木を支点に下りこれまた空中懸垂を交えて、ギリギリ象の鼻取付左の雪斜面に戻ってきた。今回は60ｍロープだったので比較的安心できたが、50ｍロープなら最後の空中懸垂は地面まで届かない可能性あり。(別ラインで下降すれば50ｍでもOK)
取付に戻ってきたときにはお昼だったが、やはりルートのあちこちで落氷の派手な音がこだましていた。ホッと一安心。七丈の滝F1上でテントを撤収し、心身ともにクタクタでしたが最後の気力を振り絞って戸台の駐車場まで戻りました。
*******************総括***********************
そもそも、この象の鼻ルートは1月の3連休で『初めて来た』戸台で『たまたま見て、名前を知った』ルートでした。特に以前から狙っていたどころか、気になることすら(というか知ることすらなかった)なかったルートなので、非常にラッキーだったとおもいます。
それでも、見た目のカッコよさとは裏腹に、脆い氷質で貧弱なプロテクションのなか全力で末の完登、初見で情報が少ないない中での下降など、非常に満足できたルートでした。まあ、2回目を登りたいか？と聞かれれば･･･うん、そうねえ･･･(目をそらしつつ苦笑)。
また、今回核心は登らせてもらいましたが、アタルさんという強力なパートナーの存在なしに完登はありえませんでした。本当に感謝サンクスありがとう、です。まだまだシーズンは始まったばかりなので、もう2回ぐらいはこんなシビレたクライミングがしたいものです。
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