10月4日 もりもり あたる ゴルゴ いっこう
しらび平0700すぎ―千畳敷1400くらい
一寸前なら覚えちゃいるが、一月前だとちとわからねえな。
滝が多くて、いちいち登るのに疲れたぜ。
登り切った先に辿りつくのは千畳敷さ、こいつにだけは文句はつけられねえ。
まあ、行けばわかるってものさ。
それでも知りたきゃ、悪いな他をあたってくれよ。
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10月18(土)、19日(日)三つ峠にて救助訓練
1日目 天狗岩
メンバー:松さん、斉藤さん、森さん、古川さん、野島さん、仲井さん、松隈(記)
2日目 屏風岩
メンバー:松さん、古川さん、野島さん、仲井さん、種石さん、増田さん、新居見さん、松隈
*セルフレスキュー
それぞれ組んで懸垂下降で下のテラスまで降り、マッシャーか、自分が普段から確実に持ってきているギアを使って上まで自己脱出。
足の方のスリングのやりやすい長さや、結び方はクレイムヘイストノットがいいのか、それとももう少し動き易い両端の輪にカラビナをかけただけのがスムーズか、
お互いに見ながら意見したり、アドバイスを頂きました。
*怪我をしたパートナーとの下降
怪我人が動ける場合の下降と、担ぎ降ろしの2通り
要予習での訓練でしたが、いざやるとなるとやはり緊張、というかなかなかうまいことはいかず…。
負傷者と自分とのちょうどいい距離、バックアップも含めシュリンゲの長さ、
とりあえず安全を確認して貰ってから下降をしてやりずらさを実感したら改善してまた試す、を
何度か繰り返す。
本当に切羽詰まった局面ではもうどのギアをどこに使うかなんて悠長に選べないと感じ、
背負う用、下降用シュリンゲの選択や作業順番などはもう完全に自動化できるくらい覚えていないと、注意がほとんど仕事に持っていかれて、
その場に応じての応用工夫や他の危険(途中ザイルが岩角に当たってないか、とか)をちゃんと配慮できるかどうかと不安に思いました。
あと、背負って実感しましたが、ギアがガチャガチャしたまま背負うと背中が本当に痛いです。
松さんが背中に穴が開くよと言ってたので自分のギアはなんとなく避けましたがパートナーの方のギアラックはあまり見ずに背負う事に必死だった、後で懸垂しながらだんだん痛みが気になっていくという…。
ここから更にリーダーの滑落の場合だと仮固定から支点移動して、登って、支点を作って、ザイルを切って、、、とシステムはもっと複雑になってくるので、間違えてはいけないところを押さえて、
効率よくできるところはサクサクと動けるようになるための訓練でした。
*ゴルゴさんによるマリナーノットの結び方とロープの連結部の通過、掛け替え。
*セカンドの引き上げ 1:3方式から1:5まで
この訓練は同じシステムでもそれぞれ使う道具が違うことで先輩方が色々検証されました。
シャント、ATC、ロープマンなどなど、色々な道具で、屈曲を和らげるカラビナの枚数は何枚かを実験しました。
今回の訓練で導き出されたやり方は、
ATCを使ってカラビナは2枚かませる、のが一番皆が確実に持っているギアだし、分かりやすく引き上げれていました。
前回の妹尾さんによる救助訓練は実地さながらのザイル代わりに細引きをカットした救助の実演を見せて貰い、
まずもう第一に事故を起こさないようにする。そういう状況になった場合は何もできずに混乱していては危険、適切なやれる技術を覚えてやれることをやりきらないといけない。と感じ、
今回の訓練では、皆さんの訓練を見ることができ、野島さん、古川さんのような身軽なひと、
たくましく安心感のある背中の増田さん、ゴルゴさんが一緒くたにいたので、
自分のパートナーの置かれた状況で手持ちの装備でどう解決できるか、スムーズにするにはどんなやり方がいいのかを客観的に体験できました。
紅葉した天気の三つ峠は大盛況で他にも沢山の人達が訓練していてとても賑やかでありました。
明星山P6南壁直上ルート&左岩稜
2014/10/11 メンバー:あたる、たね(記
10/11晴
730駐車場-830直上ルート取付-1100直上ルート終了点-13:00左岩稜取付-1520松ノ木テラス-1700駐車場
▼アプローチ
赤テープ、踏跡明瞭
▼直上ルート登攀(2時間30分)
1p(5.9)あたる:渋いスラブ。残置支点は豊富だがこのピッチがいちばん大変。あたるさんさすが。30m
2p(5.8)たね:トラバース気味に左上。岩は脆い。20m
3p(10a)あたる:核心のハング。ワンポイント。35m
4p(Ⅴ)たね:凹角~スラブ~階段状の左フェースに合流で簡単。どんどんロープ伸ばせる。45m
5p(Ⅳ)あたる:大岩を巻くようにして中央バンド。65m
同ルート懸垂
▼左岩稜登攀(2時間20分)
1p(Ⅴ)たね:川の水量多く本来の取付からは取り付けず。草付から垂壁。40m
2p(Ⅳ)あたる:適当に。25m
3p(ⅢA1)たね:単調なボルトラダー20m
4p(5.9)たね:続いてリードをやらせてもらう。スラブ~凹角~ハング~クラック凹角。50m
松ノ木テラスで実質の登攀は終了。あとはブッシュ混じりのⅢ級3ピッチで大岩。
▼感想
直上ルートは支点も豊富でもっと登られてもいいルートだと思う。
少なくとも階段状の左フェースよりは100倍楽しい。上部で合流するし直上ルートをお勧め。
眠かったので朝たっぷり睡眠取っての出発だったが、渋滞もなく2本さっくり楽しめた。
夜は糸魚川でお腹いっぱいにご飯食べて、温泉、酒とエンジョイクライミングだった。
山野井さんにお会いできて感動。
2014 9/13~14 小川山 メンバー ユースケ、サヌー
マルチ練習ということで小川山へ。
13日
小川山レイバック5.9
恐らく日本で一番有名なクラックルート。
私にとってはカムなどのナチュラルプロテクションのみで登る初めてのクラッククライミング。
下部は細めのクラックで上部は快適なハンドクラック。核心は下部の3手ほどのレイバックか?中間のレッジで完全にレスト出来てしまいます。
ドキドキしながら登り始めたが以外と簡単。パラレールなクラックなのでカムもよく決まる。中間のレッジでよく休んで冷静に上部もこなせた。ふたりともオンサイト。
ロトシックス(5.10a、3P)
あみだ岩エリアのマイナーなマルチ。
1P5.9+ サヌー
出だしはしわの入ったスラブを登り、核心は中間のハング越え。ハングの真上にボルトがあるのでリードだとしてもプレッシャーは少ないだろう。
2P5.10a ユースケ
1ピッチ目終了点から真上のハングを登り、スラブをトラバース、上部ハングを弱点の短いクラックから登り、2mほどの細かいスラブを超えて終了点へ。
30mほどの長めのピッチだがボルトは三本しかないとのことで、ところどころカムを決めて登った。小川山はボルト間隔が遠いと聞いていたがNPがしっかりつかえれば問題ないように作られているのだろう。
オンサイト。
3P5.10a サヌー
手がかりというよりはカムをきかせるためのクラックがあり、じっさいはほぼステミングで登る。上部のかぶりは岩が緩い気がして怖かった。
相棒がリードしたが、最後の2個のカムはかなり甘かった。もし落ちればグラウンドだったかもしれない。NPの恐いところだ。気をつける必要がある。
オンサイト。
そのままニピッチの懸垂をして終了。
途中ボルダーエリアでエイハブ船長(1級)の見学や、小川山レイバックの裏のクレイジージャム(5.10d)の見学をしていた。
テントに戻ったが思ったより早かったのでもう一本登りに行くことにする。
小川山ストーリー5.9
小川山で有名なルートその二である。
簡単なスラブだがとにかく長い。相棒のビレイをしている最中に日が暮れてしまい私はトライできず。
相棒に文句を言うとビールを奢ってくれた。実は私は特に興味のないルートだったので儲けものであった。
14日
屋根岩方面へ。
スラブばかりで飽きるのでフェイスもやりたいと言う話になった。途中の純情岩というところでショートルートにトライ。
コロッケ5.9+ ユースケ
くねくねと曲がった二本の短いクラックを登る。あまり登られてはいない様子であったがこの後のセレクションのクラックの練習と思ってトライ。上部のジャムを効かせながらのカムのセットで肩に少し違和感を感じた。痛みをガマンしながら登る。
純情太平のかかってきなさい5.10b/c
カンテからフェイスに移り、上部のアンダーホールドをとってからマントル返し。
核心はマントル返しで、アンダーホールドの次は手がなく、バランス感覚が重要になる。ここでフォール。あと少しだったのに残念だった。
サヌーはぶじRP
少し膝が痛んだので、僕はビレイに徹してから屋根岩二峰に移動してセレクション(5P5.8)へとりつく。
なんと六パーティーもの大渋滞。あとからあとから人が来る。昼ご飯を食べながら待っていると2P目が登れなかったらしく前のパーティーが降りてきた。急いでクライミング開始。
余談だが、このパーティーに回収できなかったヌンチャクを僕に下へなげてくれ、とお願いされる。別にやってもかまわないがそのヌンチャクまた使うの?20m位は落ちるよ?と思ってかなり心配になった。
1P5.8 ユースケ
くの字型のクラック。ほんの3、4メートルほどのクラックだが、一手目がハンド、二手目がフィスト、3手目は水平にハンドと面白かった。
2P5.8 ダイアモンドスラブ サヌー
傾斜は無いが、つるつるのスラブ。特に二本目から三本目までのボルトの間はほとんど何も無い。リードじゃなくて良かった。
本当に5.8か?上部はポケットホールドが出てきて登りやすくなる。サヌーはザックしょってアルパイン用の靴で登っていった。中々やる。
3PチムニーⅣ級 ユースケ
岩と岩の間をニー&フットでずり上がる。冷静にやれば絶対に落ちはしないだろうがプロテクションが無いので恐いし、ずり上がるのは非常に疲れる。
4P5.8 リード ユースケ
オフウィドゥス?からチムニー、スラブを上がって終了点。
相棒がカムを使うのを嫌がったためリードを交代。
体を半分クラックに入れてずり上がる。ほとんど初めてのクライミング技術だったので、こんなことしてていのかな?と思った。時間がかかった。
5P Ⅲ級? ほとんど歩き
本来ならここからトラバースのピッチ、短いクラックに入るはずが、気づかずに通り過ぎてしまった。ビレイ点にまどわされてしまった。
次回来たときに登ろう。
頂上で写真を撮って、最高の天気と景色の中昼食。
懸垂ニピッチの後、少し歩いて取り付きに戻った。
懸垂は少しもたついた。ユースケがニピッチ目の懸垂支点を見逃して下りすぎてしまったため登り返しを行った。辛かった。
帰りに水晶ボルダーエリアを見学。
“不可能スラブと呼ばれる五段のボルダーを見学。コレを登る人間の手には吸盤でもついているに違いない。きっと前世は爬虫類の類いだろう。
テント場で少しボルダーをして帰京。まさかの45㎞の渋滞のため、東京についたのは翌朝の六時だった。なんのために早く小川山をでたのやら...
今回は膝が心配だったのであちこち回ったり、グレード更新を狙わなかった。次回来たときは膝を完治させてもっと積極的にせめていきたい。
早く膝が良くなってほしい。
以上。
栃木県・足尾の忘れられたルート『チャンピオン岩稜』へ挑戦しました。
日程:2014年9月21日
メンバー:あたる(CL)・ウィリー・マスダ(記) ・・・敬称略
05:00銅親水公園駐車場 ~ 07:00ウメコバ沢出合 ~ 08:30チャンピオン岩稜取付き ~ 16:008ピッチ目終了点より下降開始 ~ 18:30ウメコバ沢出合 ~ 20:30銅親水公園駐車場
深夜の高速道路を駆け抜け、タムロする鹿を蹴散らして銅親水公園に到着。
駐車場で仮眠をとって、午前5時に林道を歩き出す。
天気が良く、絶好のクライミング日和なのに駐車場では他の登山者を一切見かけなかったのが気になる。
日の出前の暗い工事道セッセと進むうちに、空が明るくなってくる。
ゲートを過ぎ、朝露に濡れた藪と崩落したガレキ帯が交互に続く林道を進む。
堤防を越えた所で林道からへ降り立ち、広い河原に流れる幅5m・スネ丈ほどの水位の川を渡渉。
アプローチシューズを十二分に浸水させて『ウメコバ沢出合』に到着。
日陰の沢の入口からは、流れ落ちる滝が我々を出迎えている。
フィックスロープが張られた第1、第2の滝を右手から巻いて行く。
第3の滝を越えると沢が開け、左右から稜線末尾が集まる取付き点となる。
今回登るチャンピオン岩稜は、末端のジャンクションピークを左右の涸れ沢から迂回して取り付く。
迂回路とは言え、傾斜は急なのでロープを出してジャンクションピークの背面へ回り込む。
ここより伸びる稜線がチャンピオン岩稜の始まり。
1ピッチ目…と言っても、ドコにもボルトや目印が存在しないので、本当に1ピッチ目なのか分からないまま、とりあえず登りやすそうな階段状のフェースから登り始める。
ネット等を探してみても、松木沢の岩ルートに関する情報は少ない。
少ない中でも、多くに挙げられているるのは“岩が脆い”という事。 実際に登ってみると、なるほど納得のボロボロっぷり。
手をかけたホールド、足を乗せたスタンスがグラグラ、ゴトゴト…。
大丈夫そうに見える大きなサイズの岩もガタガタ動いてくれるので、全くもって信用が出来ない。
どれくらい信用出来ないかというと…
“期末テストの日に「全然勉強してないわー」とか言っておいて、上位の成績を取っちゃうクラスメイト”
…並に信じられない。
石橋を叩いて…ならぬ、岩壁を擦りながら御機嫌を覗うクライミングが要求される。
そして途中支点は勿論、各ピッチの切れ目もアンカーや残置の支点が無いので全て手作り。
テラスに上がって一息つく間もなく、眼を皿にしてカムやハーケンの打てそうなポイントを探し出す。
これまで親切に打たれたボルトや、立木に巻かれた残置スリングを当たり前のように使用していた“ゆとりクライマー”の自分が恥ずかしくなった。
立木も枯れたこの痩せ尾根では、これまでの整備されたルートに甘んじた登攀はまるで通用しなかった。
ビレイ点で2点、3点と多めに亀裂に差し込んだカムやハーケンも、この岩質では果たして効いているか疑わしい。
例えるならば…
“マラソン大会で「一緒にゴールしようネ!」と言っておきながら、ラスト500mでヘバる私を猛然と振り切ってゴールしていった親友と思っていたアイツ”
…くらい信じがたい。
ルートの難しさよりも感じるのは、岩を崩さないように慎重に登らなくてはならない厳しさ。
難しさと厳しさの両方を感じたのは、核心の6ピッチ目。
チャンピオン岩稜一番の傾斜角であるハング越えの約5m壁。
ココには古いリングボルトと新しいペツルボルトが打ってある。
過去の記録にはアブミを使って越えるとの記述もある。
リードしたアタル隊長は、アブミを使用することなくフリーでこの難所を攻略。
続くマスダも、フリーで突破を試みたが、ハングを越えた後のホールドが見つからず撃沈。
長くぶら下がっているのが恐ろしいので、ムーブを探すことなくA0でソソクサと這い上がってしまった。
核心を越えた後は傾斜も緩くなり(と言っても岩は依然脆い)、ピークまで比較的易しいピッチが続く。
ただ大分時間を使ってしまい、ピークまではまだ時間がかかりそうなので、ココらで脇のルンゼへ下降して戻る事となった。
しかし、いざ下降するにしても適当な支点が見当たらない。
懸垂に耐えうるシッカリとした支点が見つかる所まで登る事に。
まだ陽は高いが、若干の焦りを感じながらロープを伸ばす。
傾斜が緩むと伸ばしたロープが稜線の岩に当たり、ひどく重たく感じる。
結果、8ピッチ目を上がった所で、太い枯れ木と小さな岩の尖塔を発見。
木にするか、岩にするか・・・。
協議して岩に捨て縄を回してバックアップも取り、ルンゼへ懸垂下降を開始する。
岩の尖塔、といってもコレも大きな浮き岩に見えなくもないので、ココロを許さずに懸垂しなくてはいけない。
この疑わしさは…
“「一生のお願いだから今度の土曜日のシフト変わって!今度埋め合わせするから!!」とかヌカしておき・・・(以下略)
…とにかく信用ならない。
1回目の懸垂で、ルンゼ内に残置支点を見つける事が出来、2回目は残置支点を使わせていただく。
その後は、やや傾斜があるものの、時間短縮の為にクライムダウンでルンゼを下降していく。
谷間である為、陽が墜ちるとあっという間に暗くなっていき、ウメコバ沢の出合に着く頃にはスッカリ暗闇の中だった。
真っ暗な長い長い林道を駐車場へ向けて戻り、緊張の連続だった本日の行動が終了した。
今回は3人で登攀していた・・・という事もあり、時間がかかり過ぎてしまい完登とはならなかった。
慣れないモロ壁に対峙して思い切り面喰らってしまい、速度が出なかったのも反省点として挙げられる。
そして何より、ルートに対して研究が疎かだった事は猛反省すべき点であった。
また行動時間が長引いてしまった原因として、アプローチと下降路で某隊員2名が隊長から遅れてあわやはぐれそうになる場面があった。…否、はぐれた。
登攀路以外のルート全体に対する理解の浅さが浮き彫りになってしまった失態だった。
散々たる結果だった今回の山行。
猛反省すべき数多くの失敗と、コレまでの登攀では得られなかった新しい経験を持ち帰る事が出来た。
支点も何も無い危うい岩稜に恐怖を感じると同時に、
「コレが自然と真っ向から向かい合う登攀の本来の姿なのでは…!!」
と、勝手に感動する自分もいた。
確固たる技術を身に付け、動じることなく如何なるルートにも立ち向かえるようになって、戻って来なくてはイケナイと思った。
15時間の行動中、遂に他パーティと遭遇はおろか、存在すら確認できなかった。
それだけ登られていないエリアなのだろう。
落石の危険があるので、あまり多くのパーティが詰め掛けるのも如何なモノかと思うが、草木も動物も寄り付かない静かな空間の中で岩と対峙できる松木沢は、アルパインクライミングを志す者として訪れる価値が高いように思えた。
2014/9/20 メンバー:ノジ、エリー(記
9/19 夜高尾駅発‐谷川ベースプラザにて仮眠
9/20 4:00谷川岳ベースプラザ‐一ノ倉沢出合‐テールリッジ‐7:00中央稜取付‐11:00衝立頭手前‐11:30下降開始‐中央稜取付‐一ノ倉沢出合‐16:00谷川岳ベースプラザ
目的:翌週末の北岳バットレス4尾根に向けてトレーニング
アプローチ
ベースプラザから一ノ倉沢出合へ到着し、トイレによりハーネス装着、ギア整理。一ノ倉沢本谷を歩きヒョングリの滝手前で沢を渡り右岸の急な踏跡を登り、懸垂下降でテールリッジ末端下へ降り立った。8月にあった雪渓はなくなっていた。テールリッジは前回の指導を思い出し、なるべくフィックスを頼りにせず登ることを心掛けた。岩は乾いていたため危ない個所はなく衝立岩中央稜取付に到着。
登攀
衝立岩中央稜取付には1パーティ登攀準備をしていた。南稜にも取付いているパーティと後続から南稜へ向かうパーティがいた。先行パーティ1P登ったところで私達も登攀開始。
1P目(Ⅳ級)エリー:4Pの核心が不安だったため私がリード。階段状で安定して登れた。
2P目(Ⅱ級)ノジ :左に回り込み凹角を登る
3P目(Ⅲ級)エリー:右へのトラバースはいったいどこを?と探していると岩にお助けロープのようなものが垂れている。これを行くのか…と不安に思いながらトラバース。この時なぜか救助ヘリが近づいてきて一ノ倉全体に爆音が響いた。トラバースの緊張と爆音でドキドキが急上昇。終了点に着いた時にはヘリは遠くへ行っていたため「ビレイ解除」がノジさんに届いたが、ヘリがいたら私の声は届かなかっただろう。声が届かないことはしばしばあるため相手がどう行動するか今何をしているかを理解し察して判断することも大事と教わったことを思い出した。登ってきたノジさんより救助ヘリは南稜テラスから一人救助していったと聞き驚いた。
4P目(Ⅳ級+A0)ノジ:先行パーティが登り始めたのを確認し、ノジさんスタート。フェースを登ったあたりで先行パーティとノジさんがやり取りし時間がかかっていた。詳細はノジさんへ。フォローの私は、「ここはリードできなかったな、やっぱりノジさんすごい」と思いながら登る。
5P目(Ⅲ級)エリー:ピナクルまで登りは問題なし。終了点は岩にスリングをかけ支点補強。
6P目(Ⅲ級+)ノジ:カンテ状のフェースはちょっと怖かった。リードしたノジさんも「核心過ぎたから安心してたのに…」と二人で不意を突かれた感じだった。
7P目(Ⅱ級)エリー:階段状を登り頭に上がる前でピッチを切る。今回の核心は下降でもあった。同ルートまたは北稜下降。ただ北稜は空中懸垂があり不安だったため同ルート下降を祈っていた。運よく後続はいないよう。頭まであとは草付きを登るだけだったため、頭へ行くより下降を優先しようとノジさんと相談し、下降の準備に取り掛かった。
下降
スタックが心配だった。4P目終了点までは短い間隔で支点があったため、ザイル1本で懸垂を繰り返し4P終了点へ到着。終了点には登ってきているパーティがいた。脇で懸垂下降の準備をさせていただき、フォローの方が登り終わった時点で降り始めようとしたら、以下のアドバイスをいただいた。
① 支点はハーケン2個とリングボルト2個?あったが、どれも古い。ぐらつきはないものの荷重時はなんともいえない。すぐ上にもう一つ支点があり、上からバックアップをとったほうがいい。→バックアップをとった。
② ザイル1本(25メートル)で降りると降りられる場所が限られる。50メートルでいい支点まで降りたほうがいい。→今回はザイルをセットしてしまっていたため1本で降り、次の箇所で50にすることにした。
③ ルートの中より垂直にまっすぐ降りたほうがスムーズに降りられる。→すすめられたところから下降した。
着いた支点でザイルを出し50メートルで懸垂準備。降り始めたときに先ほどアドバイスいただいた方が懸垂で降りてきて、ザイルのセットに指摘を受けた。
① 連結部分の末端の長さが短い、危険。末端は30㎝は出す。→ノジさんは2メートルほど降りたところで指導を受けた方に確保され、支点に残っていた私がセットしなおした。
② 支点に使用していた残置スリングは古めだったため、捨て縄で補強するよう言われた。→持っていた捨て縄を通した。
懸垂再開。2本降りて中央稜と南稜の取付間あたりに到着した。
帰路はアプローチと同じ。
指導してくださったのは、ぶなの会の方でした。確認不足や経験不足でご迷惑おかけしてしまい、申し訳ありませんでした。ご指導ありがとうございました。