2014年2月23日
CL:盛山(記)、梅澤
初めて大同心雲稜に取りついたのは既に10年前。
全く歯が立たずしばらく離れて、ようやく再トライしたのが時間切れで撤退した2年前。
そして今回ようやくその頭に立つことが出来た。
途中ポッキリ心折れながらも登り続けて良かった。
<時間>
赤岳鉱泉600-800大同心基部830-雲稜-1530大同心の頭-1630硫黄岳山頂-1715赤岳鉱泉1745-1845赤岳山荘
<ピッチ>
1ピッチ(梅)
取り付点から直上。フェースからハング。傾斜があるがホールドとスタンスは豊富。ハングはアブミで乗り越す。初っ端からこの動きは辛い。下部はフリーで登るが支点は豊富。ハングを越して小ピナクルの先でビレー(ペツル)。
2ピッチ(盛)
引続き直上。右の垂壁に沿った形でフェースを登る。おそらく正規ルートはこのフェースではなく左にトラバースしてフェースを左から回り込んで(凹角状)でフェースの上に出る。フェースは支点がなくホールドとスタンスはあるが悪い。フェースを左トラバースしてカンテ状を登る。
3ピッチ(梅)
顕著なピナクルを目指して右上気味に登る。ビレー支点はこれまでのペツルではなくRCC。
4ピッチ(盛)
目の前の凹角状を右上気味に登る。凹角からフェースに出る部分がスタンスが甘く、悪い。A0を駆使して突破。垂壁を右に行くとビレー支点。
5ピッチ(盛)
上部のトラバース。一ヵ所だけ岩が張り出していてバランスクライミング。
6ピッチ(梅)
最終ピッチ。直上。フリーとA0、人工を駆使して登る。フェース登り、カンテを回り込んで登る。ハーケン連打で迷うことはない。
<ルート状況>
支点整備状況がかなり良い。
ビレー支点だけでなく、ランナーにもペツルがちょこちょこ。
ただネジが緩んでグラグラのペツルも何個かあるので、要注意。
残置支点はしっかり確認してから使う、基本は大事ですね。
錆びたハーケンや浅いハーケンも多く、場所によってはそれに全体重をかけるのでスリリング。
残置はハーケン主体でリングボルトは少なめ(頭だけ残ったリングボルトを使ってずり上がるということはなかった)
カムがそこそこ使える。キャメの0.5~1番を使用。
人工ルートだが、それなりにホールドとスタンスがあるので極力フリーとA 0で登った方が時間と体力面で有利。
今回アブミを使ったのはポイント的に使って、使っても1~3ピン分くらいで、4箇所くらい。(相方は2箇所くらいだったような)
トポによるとあと1ピッチあるはずだが、3~4ピッチ辺りに混ざったらしい。
<日記>
「よっしゃぁぁ、登ったぁ!!」
…久々にルート抜けた後に1人吼えてみた。
なかなかのギリギリのクライミング。
1ピッチ、登って心が折れた。
2ピッチ、リードしてルート間違えたがそのおかげでアドレナリン全開。
3ピッチ、セカンドなので余裕(初めのヒヨリ感はどこへやら)
4ピッチ、もはやクライマーズハイ状態。
5ピッチ、やりきった感でイッパイ。
6ピッチ、満腹状態でヘロヘロ。
まさか、登れるとは思わなかったですよ。
前日の阿弥陀北西稜の疲れもあり、朝起きた瞬間は私は寝坊敗退を企んでましたから。
会の仲間が前日に付けたトレースがあることと後輩への見栄だけが心の支え。
1ピッチ目は本当に体が悲鳴をあげてた。
「ムリムリ、連日そんなムリだって!」
なんとかハングを越えた時は完全終了。
心が折れた状態でリードするのがどれだけ危ないかよく分かっているが、果たして次回があるのか?という葛藤の末とりあえず2ピッチ目に突入した。
ここが個人的には精神的核心。
体力的核心は随所…アルパインルートでパンプしてボロハーケンにテンションかけまくりとは…
4ピッチ目で前爪1本に立ち込みバランスクライミングは痺れた。
しかしアブミトレーニングなしにいきなり取りついたのは問題だったな。
早々にパートナーはアブミ使うのを諦めてフリー主体プラスA0で登っていたからな…凄まじい登攀力だよ。
核心の最終ピッチを登っている姿はカッコ良かった。
最後に、1時間以上遅刻してかなり待たせた中山尾根隊ごめんなさい。そしてトレースありがとう。