2013/7/13~15 CL:盛山(記)、松澤
<行程>
北岳4尾根隊とほぼ同じなので省略
<内容>
久々の北岳。よく考えたらいきなりピラミッドフェースを登ったのが学生の時だったので早10年近く・・・
今回のミッションは後輩達を暖かく見守りつつ、自分たちも楽しんじゃいましょうという目的。
・・・のはずが結構やられました。
主要因は雨と渋滞。
もっと早くテンバ出ろよって話もありますが。
さすがに3連休、北岳バットレスは大盛況でした。
Dガリー奥壁隊は下部岩壁で4尾根隊と別れて5支尾根を登って、Dガリーに到着。
ここでどーするか迷う。
すでにDガリーにはたくさんの先行パーティがいる。
雨も降りそうだ・・・4尾根にしてしまうか?
いやいやそれでは後輩の為にならん。
迷っているうちにルートが空いたのでとりあえずDガリーを登って行く。
下部フランケは湿っている感じなのでパス。
Dガリー奥壁取付きで大渋滞・・・
雨降りそう・・・・・4尾根に逃げる事にする。
取付きから上部フランケの取付きを経由して、4尾根までルンゼ上のバンドが走っている。
まあ、見た目は行けそう・・・そうこれが正規ルート以外の罠なんです。
その罠にドップリ嵌って、ボロボロのルートをザイルを伸ばす。
当然残置なし、ヤバそうな岩に気休め程度にカムを決めながら進む。
途中でこれは大丈夫と思ったホールドがガッツリ動き悲鳴をあげる・・・落ちるかと思ったぜ。
全てのホールド、スタンスが信用出来ないので、バランスを取りそろそろと登る。
気分的にはこのピッチが核心でした。(技術グレード的にはⅣ-くらい)
無事に4尾根に着きましたが、なんか完全に横入り状態。
ちょうど4尾根核心の下に合流しました。
すいませんと思いながらチョコチョコと登る。
4尾根崩壊後はDガリー奥壁ルートに4尾根が合流するので、そこで大混雑。
まあそれはそうだわな、バットレスを登っている人のほとんどがここ通るんですもの・・・
なんとこの4尾根からDガリー奥壁ルートへのトラバースで雨が降り出す。
「ヤベーしょ、こんなとこ濡れたらトラバースできなくなるぜ!」
あわてふためいた私は考えました。
1.本降りの前にルート抜けて、さっさとテントに帰る
2.懸垂しながら4尾根隊の様子を見て撤退
3.最後の核心で4尾根隊を待つ
・・・普通に考えれば1だけど。
「ロンゲの兄ちゃんとお姉ちゃんのパーティーっていました?」
「だいぶ後ろにいましたよ」
「マジっすか!?」
・・・登っているのか、そうなのか?
ってか雨降ってきているんですけど。
う~む、その心意気は良いが日暮れ確実、最悪ドシャ降りで悲惨なビバーグ・・・
ここは見捨ててテントに・・・いやいや、それは人道的に・・・
そんな葛藤がありつつ、最速かつ安全性を考慮して、墜落したらヤバいトラバースから最終ピッチのハングまでをFIXを張りました。
他の皆様にはご迷惑かとも考えましたが、最悪雨が本降りになったらとても世間体は構っていられないので、がっつり張りました。
で、待つこと3~4時間。
まあ、私は終了点まで上がっていたので、割と楽出来たのですが、ハング下にいた松澤隊員は大変だった様子です(ゴメンね~)。
ようやく4尾根隊合流。
おおう、そこまで夕闇が・・・
「早く登れや!(心の声※若干キレ気味)」
登り返しを駆使して割とスムーズじゃないか、良し良し。
全員が終了点についたころにはとっぷりと日が暮れました。
雨が奇跡的に降らなかったから、まだ行動できるけど、降り出したら終わりだなあ、ビバーグか・・・と思いつつ先を急ぐ。
最後の詰めは20分くらいで登山道・・・それは明るかったらね。
「ルートはどこだ~」で迷いながら進み、なんとか踏み跡をトレース出来て、たっぷり1時間以上かかって登山道に飛び出す。
結構最後の詰めって危ないんだよね、特に暗くなるとルートファインディングが大変。
まあ良かった、天気も持ったし。
これはもう肩の小屋泊りだな・・・
って、閉まっているし!
それもそうだ、だって22時過ぎてますもの。
まだ全員動けることを確認して、牛歩の歩みでテンバを目指す。
この2時間がホント長かった。久々に挫けそうでした。
夜中0時に亡霊のような足取りで白根御池のテンバにつき就寝。
まさかの20時間行動。初です・・・
危ないこともなかったし、良い経験になりました。
バットレスにいた方々、ご心配おかけしました。
そして、いろいろとありがとうございました。
撮った写真を下記のサイトにUPしましたので、よろしければ貰ってください。
https://plus.google.com/photos/104377408252402116986/albums/5902942281319956705?authkey=CPHE5Y7c4fnBEg
すみません。報告ありがとうございます。
今回の四尾根では、他のパーティと交流することが出来ました。東から西から多くのパーティが取り付いており、昔の山岳会風もあれば今風もあり、今後の会運営に新しい展望も見えた気がします。
その引換に、日付を跨いだ行動は疲れ果てました。
即身仏ではない松
投稿情報: 松 | 2013/07/26 04:45