4月17日 日置 鈴木
西沢渓谷入口7:00―東のナメ沢出合10:00―大滝上13:00―東のナメ沢出合15:00―西沢渓谷入口17:00
穂高に行きたかったが車のブッキングに失敗し、土曜夜からしか出られなくなってしまった。もりもり会長に相談したがものすごく冷たい対応。雪山に行きたい鈴木さんだったが、どうしようもないので諦めて大滝に付き合ってもらった。
前日の晩に三軒茶屋集合とするが、お互いどこにいるのかわからず三十分ばかりおろおろする。やっと出発しても高速の乗り口がわからずまたまた一時間ばかり行ったりきたり。普段どれだけ人に頼っているかがよくわかる。途中で寝袋とハンマーという超重要装備を忘れたことに気づき愕然とし、一応叫んでみたがやはりどうなるものでもない。さすがに奥様の寝袋に私も入れてくださいとは言いだせず、寒い夜を過ごすことになってしまった。
6時起床と言ったのになかなか起きない。準備をするにも機敏さの欠片もない。二時間で見積もっていたアプローチにもたっぷり三時間。持ち前の堕落ぶりは今回もしっかりと発揮していたようだ。北面の滝は全て氷に覆われており、こりゃだめかなと半分諦めながらも、やっぱ帰ろうとは言い出せずにとりあえず行ってみようと中途半端な気持ちで歩き続けていると、正面に見事なスラブが尾根の上に向って続いているではないか。そういえば今度の沢が北向きか南向きかなんて全く考えていなかった。地図なんて見つからないからコピーさせてだったから歩き始めるまで一度も見ていなかったし。まったくいい加減なものである。
うん、でかいな、でもそんなに難しくなさそうだ、よしよし登ろう。ご機嫌で準備する。靴はフラットソールに履き替えた。ダブルロープ、カム1セット、シュリンゲは各自10本くらいでカラビナもそれぞれ15枚くらいあったかな、二人とも装備だけは本気で揃えてきたようだ。300メートルの下半分はほとんど歩いて登れる。これなら西ゼンか米子沢でいいじゃんなんてぶつくさ言いながらも岩はつるつるすべすべ。転んだら大変だから高巻きルートと分かれたあたりかでロープをつけることにした。鈴木さんが登りますと言う。すごい形相だ、文句を言うものなら蹴落としてやるといった雰囲気だ。そうか、そこまで登りたいか、そんなに登りたいなら仕方ない、先に登りたまえと大きな心でリードを任せる。
1ピッチめ:半分くらい歩いていたような。
2ピッチめ:溝に沿って登ったような。
3ピッチめ:バンドをトラバース。
4ピッチめ:もう終わりだなと思って左のスラブに取り付くとなかなかバランシー。残置支点皆無でフラットソールだったからなんとか登れた感じ。ルートを間違えたか、それとも草付が落っこちたか。
4ピッチ登って藪に突入。ゴールはもうちょっとトラバースしていったところだけど、落ち口が見えたのでもうここでいいや。下りることにする。
藪を伝いながら懸垂下降4ピッチで出合に戻った。滝は4ピッチめ以外は難しくなかったが、残置支点がものすごく少ないので、沢靴だと結構緊張するかも。傾斜は緩いけど、変なところを登ったら進退窮まるね、大変なことになるでしょう。また確保支点もそれらしいのはなかったうえ、ハンマー忘れたのでハーケンなしで支点を作ろうとしたので余計時間がかかってしまった。でも暖かい日差しの中の綺麗なスラブは気持ちよく、久しぶりに山で登った感じがして楽しかった。
30キロの渋滞を乗り越えて高井戸で解散。首都高に戻るも気がついたら新宿の一般道を走っていた。何故だろう、不思議だ。いらいらしながらもう一度高速に戻ろうとするもどうやらまた高井戸に向って走っているようだ。頭にきたので高速なんか乗らないことにして一般道で帰っていった。やはり車は乗せてもらうのが一番だと思った。