2011年1月19日(水)~20日(木) 前夜発1泊2日
メンバー:妹尾
某縦走用にもらったお休みがたくさんあるので苦笑、
折角だからアイスばっかりでなく、雪稜・岩もやりたいなと
二年前、旭東稜を登っていた時気になった隣の稜線・権現岳東稜に
いってきました。
19日 JR清里駅18日20:00(仮眠)/19日3:00~出合小屋6:15/7:00
~東稜取付9:00~バットレス直下リッジ15:00~出合小屋19:15/20:00
~JR清里駅22:30
前夜に清里駅に到着、ロッカールームの隅で仮眠。単独の時はいつも不安と昂揚が交互にきて、ナカナカ眠れない・・・と思ったら寝てた。2年前より少し暖かい?と感じるのは余裕なのか気のせいなのか。駅から勿論徒歩で出発。しかし2年前より少なくとも雪が少ないのは確か。そのおかげで、林道にでても取り立ててラッセルすることなく進む。
谷に入るとトレースはほとんど消えており、ココ1週間ぐらい?入山者の気配はないかな。ワカンで膝程度。しかし、途中でワカンの接合部が壊れる(泣)。仕方なくツボ足根性で進む。暫く行くとトレースがかなりはっきり残っていた。どうやら入山者が少ないのではなく風で吹き溜まるような場所ではあっという間にトレースが消えるようだ。2年前より1時間も早く出合小屋に到着、当然誰もいない。
ハーネス・アイゼンを装着して地形図を見ながら出発。権現沢右俣・左俣の分岐は明白で遠くにバットレスが見える。トポだと左俣のゴルジュを通過した直後が取付きとあったが、なんか問題なくあがれそうだったのですぐに尾根へ取付いてしまった。しかし、トポというのは正確なモンです。すぐに尾根上に岩の小壁が立ちふさがりトラバースをしているうちに結局、再び左俣に下降してしまった。すぐにゴルジュ帯にぶつかり、正規の取付からスタート。
ルンゼ状の雪壁を腰ラッセルで30分かけ尾根上へ。尾根は快適に締まった雪を期待したが、サラサラの締まらない雪の連続。傾斜が強いところでは足場が固まらずだましだましの雪壁登攀となり、時々緊張する。中盤意向は概ね腰ラッセル。傾斜が強くなると顔より高い位置の雪を両手で崩しながら胸ラッセル。それでも行程の2/3ぐらいまではリズムよく来たが、尾根の最後の雪稜・雪壁がとにかく長く感じる。ひたすら手の届く範囲の雪を崩し・膝で2~3回固め、それでも崩れる足場にだましだまし乗り込みながら進む。今年の雪は手強い。
ようやくお目当てのバットレスが目前にせまり、最後にリッジを突破するのみとなった。時間は既に夕方。これは久々にバットレス直下でビバークかな、それもカッコいいじゃん・・・なんて思っていたが、あっさりとその思惑は打ち砕かれた。
ここまで散々苦しめられたサラサラの乾雪だが、このリッジに付いているモノはそれ以上にたちが悪く、細いリッジはこの上ない不安定な状態だった。確保無しで行くのは論外、岩用にロープ・ギヤはあるが、リッジ上にアンカーが作れそうな丈夫な潅木が無い。
リッジ両側の斜面を巻いて突破しようにも左側は傾斜が強すぎて論外、右側へ少し降りて登ってみるが、雪の層がそんなに厚くなく、傾斜が強い割りに踏み固めてもまったく固まらない雪が露岩(スラブ?)にくっついていて一度滑ると滑落停止も効かず大滑落は必須・・・。
右斜面を何箇所も掘りおこしてせめて凍った草付きがないか1時間以上探したが撃沈。メインディッシュのバットレスに手すらつけられないまま敗退を決めざる得なかった。仕方なく、自分のトレースを戻るが、雪壁のクライムダウンは傾斜もあり想像以上に緊張した。へとへとになりながら出合小屋に到着、今日はココまで・・・という考えもよぎったが、明日また少しの距離とは言えラッセルするのは非常にめんどくさいので駅まで残業することにした。快晴満月の中、敗退も重なった疲れた体で夜遅くに清里駅着。行動時間約20時間でした(笑)。
20日 帰宅
まあ、報告で特に書くことも無いですが、ずっと爆睡でした。
*****************************総括***************************
まあ、平日ということもあって八ヶ岳東面の静かな登攀を満喫できました。
出合から敗退地点まで完全にラッセル三昧でした。きつくはありますが、
振り返ると自分のトレースだけ、というのはやはり気持ちがいいものです。
敗退でヘトヘトになりながら林道を歩いている頭上には満月。ホンとヘッデンが必要ないくらいで、荘厳で優しい情景でした。ワカンは壊れるし、頂上どころかバットレスすら触れないし、踏んだりけったりなハズなのに不思議な充足感がありました・・・・・・
・・・・・なんて奇麗事ですね、ぶっちゃけメチャ悔しいですよ、ええ。月が何ぼのモンじゃ。
いまから思えば、右斜面をもう少し頑張ればなんとか支点になる潅木があったわけでどっか適当なトコでビバークして翌朝、ロープで確保しながら登ることも出来たと思います。もっと突っ込めた、そんな感じです。ただ、ソロの時は自分でアクセルとブレーキ両方演じなければならないので難しいですよね。でもだからこそたまにはピリリとするソロクライミングも悪くないかなと思います。
もちろん、パートナーがいる時は”激辛な”クライミングを優先したいですけどね。アチチ~
コメント
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