Climbing Report

戸台

2015年1月24日(土)～25日(日)前夜発一泊二日

メンバー：CLビン(記)、アタル

なかなか今シーズン、自身で満足できるアイスクライミングが
できていないが、1月上旬に見た戸台の希少なルート『象の鼻』が
忘れられず、アタルさんに頼んでトライしました。

行程1/24：5:00戸台駐車場～11:00七丈の滝沢F1～12:00/12:30F1終了点
～13:00七丈の滝F3取付～15:00七丈の滝F1終了点

夜明け前に戸台の駐車場をスタート。2日前の降雪で前回のような高速道路トレースは完全に消滅しているが、ツボ足のトレースがかろうじてある。途中、単独行者の方が『五丈の滝は登れなかった(´･ω･`)』と引き返してきた。やはり昨日今日と暖かいので･･･南面にある象の鼻は大丈夫だろうか？と心配。ツボ足のトレースがあるといっても、歩きづらく結局七丈の滝沢出合に到着までに駐車場から6時間もかかってしまった。

今回は初日にサクッと前回足の痛みのため登れなかった七丈の滝を登り、そのままF1終了点の広い河原でテントを張り、翌日象の鼻を狙う作戦。F1を登ってテントを張り、さあ七丈の滝へ。しかし・・・暑い！！快晴で日当たり最強、風も無く汗ダラダラ。

そして心配したとおり、午後の暑い日差しをモロに受けた七丈の滝はガンガン落氷が発生。周囲の崖からはあろうことか落氷に混じって落石も！F3をアタルさんリードでスタートしたが、危険ということですぐに中止。危険を冒してまで登るルートではないのでまた来年･･･ということで下降し、象の鼻の取付とラインの確認をして本日は終了。

明日に備え、夕食は焼肉＆鍋でガッツリ英気を養う。


 
 

行程1/25：5:30F1終了点～6:30象の鼻1P取付～11:00象の鼻4P終了点
～13:00象の鼻1P取付～14:00七丈の滝沢出合～17:00戸台駐車場

前日の偵察で『午後になると落氷がヤバイ』と痛感したので、午前中に登りきることが絶対条件。ヘッデンでスタート。グレードは私の体感。

1P(Ⅴ＋級)：アタルリード。傾斜が強い部分もあるが長くは無い。ただし、氷がスカスカの部分が多くスクリューの打ち方は経験が必要。墜落すればスクリューが1～2本ぐらいは抜ける。氷の繋がっている(登れる)場所を追いかけて、左右に迂回しながら登る非常にデリケートなピッチ。アタルさんお見事！

2P(Ⅳ－級)：ビンリード。ハング下をトラバース。簡単だが、氷の無い(薄い)岩セクションがあり、やはり墜落はできない。

3P(Ⅴ＋級)：アタルリード。一番楽しいピッチ。氷結もまあまあ、傾斜もそこそこ。

4P(Ⅵ－級？)：ビンリード。最終にして核心ピッチ。2週間前に登っているぶ〇の会パーティーとは違うラインでトライ。別に難しさを追求したワケではなく、そちらの方が弱点に見えたから。水っぽい氷でアックスの刺さりは良い。ただしツララの集合体で、プロテクションがよろしくない。このピッチで打ち込んだスクリューのうち、半分は墜落に耐えない？フォローのアタルさん曰く『スクリュー2本くらいは素手で引っこ抜けた』らしい(真偽は不明･･･笑)。残念ながら、アックステンションを1回いれてしまい非常に無念。終了点は適当に潅木でビレイ。

さて、無事完登してもまだ緊張は続く。事前情報の少ない下降が残っている。落氷が怖いので同ルート下降は論外。前日の観察だと、ルート左の樹林地帯が下降できそう。
1回目の懸垂は思い切って、ルートから大きく左方向の崖に飛び出す。空中懸垂を交えて最終ピッチ取付があるバンドにたどり着く。そのままさらに左方向へトラバース気味に降りると大きな樹林斜面に到達。
2回目の懸垂はそのまま緩斜面の樹林帯を念のため懸垂で下る。
3回目の懸垂は、若干不安だったが比較的しっかりした枯れ木を支点に下りこれまた空中懸垂を交えて、ギリギリ象の鼻取付左の雪斜面に戻ってきた。今回は60ｍロープだったので比較的安心できたが、50ｍロープなら最後の空中懸垂は地面まで届かない可能性あり。(別ラインで下降すれば50ｍでもOK)

取付に戻ってきたときにはお昼だったが、やはりルートのあちこちで落氷の派手な音がこだましていた。ホッと一安心。七丈の滝F1上でテントを撤収し、心身ともにクタクタでしたが最後の気力を振り絞って戸台の駐車場まで戻りました。

 
 

*******************総括***********************

そもそも、この象の鼻ルートは1月の3連休で『初めて来た』戸台で『たまたま見て、名前を知った』ルートでした。特に以前から狙っていたどころか、気になることすら(というか知ることすらなかった)なかったルートなので、非常にラッキーだったとおもいます。

それでも、見た目のカッコよさとは裏腹に、脆い氷質で貧弱なプロテクションのなか全力で末の完登、初見で情報が少ないない中での下降など、非常に満足できたルートでした。まあ、2回目を登りたいか？と聞かれれば･･･うん、そうねえ･･･(目をそらしつつ苦笑)。

また、今回核心は登らせてもらいましたが、アタルさんという強力なパートナーの存在なしに完登はありえませんでした。本当に感謝サンクスありがとう、です。まだまだシーズンは始まったばかりなので、もう2回ぐらいはこんなシビレたクライミングがしたいものです。

アイスツアー＠尾白川

2015年1月17日(土)～19日(月)

メンバー：CLビン(記)、カッキー

アイスツアー三日目。
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【アイスツアー＠大谷不動】

行程1/19：0:00上田市内スーパー～3:00/6:00道の駅はくしゅう～7:00林道終点～8:00岩間ルンゼ取付～10:00F2終了点～10:30取付～11:00ガンガノ沢F1取付～12:00F2取付～13:00/15:15シークレットエリア～16:15ガンガノ沢出合～17:00林道終点～19:00JR大月駅

いよいよツアー最終日、本日はこれまた初めて訪れる尾白川。こう考えると、アイスをはじめて7年ぐらい経つが、まだまだ訪れていないエリアがたくさんあるのだなあ･･。

深夜のうちに上田市から移動し、道の駅で仮眠。日向山への林道はまだまだ残雪・凍結部分も多くちょいと緊張。ガンバレエクストレイル！！林道終点に車は無かったものの、ガンガノ沢出合付近にテントが二つ。下から歩いてきたのでしょうか？

最終日の本日は『質より量』ということでガンガン登るベシ！まずは岩間ルンゼ。まず1P目は私がリード。2P目(？)の緩斜面部分をカッキー、3P目の氷は短いが岩の間をうねる様な氷の発達の仕方でおもしろい。4P目にすすんだカッキーさんだが、その向こうは氷が無く下降開始。このルートは結果的に私ばかりリードして申し訳ないねえ。

すぐにガンガノ沢に向かい、こんどこそアイスっぽい(？)F1へ。ここはちゃんとカッキーさんに譲りました。リードが楽しくて仕方ない、というオーラ全開はほほえましいけど、傾斜が緩くなった上部でもスクリューはちゃんと打ちましょう(笑)。

順番的にF2は私がさくっとリードし、いよいよシークレットエリアへ。最初、シークレットエリアとガンガノ沢F1を混同していて、デカい氷瀑が見当たらないので、さらにその先にあるのかな？と勘違い。先着していたガイドパーティーさんに教えてもらい一件落着でした。下調べはちゃんとすべきだねえ、反省。

私がリードしてトップロープを張り、あとはカッキーさんのトレーニングのお手伝い。伸び盛りの今こそ、正しいフォームでしっかり量をこなせばドンドン伸びますぜい。本日は早めに切り上げるつもりでしたがなんだかんだ言って結局普通にヘッデンギリギリに車へ戻りました。

 
  

*******************総括*********************

自分の日常のトレーニング不足もあり、自身はそこまでガッツリ登りこめなかった今回のツアーでしたが、パートナーのカッキーさんはずいぶんスムーズに登れるようになりました。まあ、こんなタイミングでもないとなかなか会の若手にお付き合いする機会も少ないので、かえって良かった気もします。

カッキーさんに限らず、MGCは比較的モチベーションの高い若手が多いので頼もしい限りですが、伸び盛りだからこそ、一足飛びではなく着実に実力を付けて欲しいものです。冬のクライミングはアイスであれ岩であれ『落ちるのは論外』と考えてます。落ちないレベルのルートを落ちないよう確実に登る。その繰り返しだけが『強いアルパインクライマー』への道になりえる。それを体現できるよう、私も含めた先輩クライマーも精進していきたいものです。

アイスツアー＠大谷不動

2015年1月17日(土)～19日(月)

メンバー：CLビン(記)、カッキー

アイスツアー二日目。
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【アイスツアー＠神津牧場】

行程1/18：6:00上田川と道の駅～7:00/7：30峰の原駐車場～9:30/10:00大谷不動本院～11:00/12:30右岸壁右ルートF1取付～13:30/14:00本流二の滝取付～15:30本流二の滝終了点～取付17:30～峰の原駐車場19:00～21:00上田市内スーパー駐車場

二日目こそ、ツアーのメインディッシュ大谷不動。天気もバッチリで出発。トレースはほとんどないが、駐車場にクライマーらしき車が一台。あの天気で大谷不動に入ったのは立派ですね。

スノーシューで約2時間の林道歩きで本院に到着。本院には昨日到着したパーティーがいました。ここからはツボ足で進むが、昨日の雪でトレースは完全に消え、けっこうなラッセル。結局右ルートに到着まで1時間以上(苦笑)。

氷結は･･･ボロボロであまり良くないが、気合でビンのリードでスタート。予想通り、氷が脆く苦戦。傾斜が強くなる部分を数メートル登った辺りで自分が割った氷が顔面に命中･･･これは危ないとクライムダウン･･･ぐう。普段、アックスを刺す瞬間はアゴを引いて氷の破片が顔に当たらないようにしてましたが、今回は割れた破片が顔正面でバウンド→直撃→出血大サービス(笑)。心折られました・・・。

仕方なく本流二ノ滝へ向かうも再び猛ラッセル。さらに1時間ほどかかる。年末にラッセルはいやというほど経験したので、今月はスマートなアイスを標榜したはずなのに･･･アレ？がっつりアルパインチック。

本流二ノ滝は伸び盛りカッキーサンに任せる。Ⅳ+級程度でなかなかしっかり登ってくれました。途中でピッチを切り、さあ気を取り直してリード･･･と思いきや、カッキーサンがリードしたそう。『新人教育担当の自分』と『現役の岳人の自分』がちょいちょいセメギあった結果、カッキーさんに譲る。まあがんばってくれい・・・。無事本流二ノ滝を登り、懸垂下降に移ると、見事にロープスタック(苦笑)。期せずして、登り返し時にリードができました。ラッキー(？)

相変わらず長く、最後の峰の原スキー場までの登りが疲れましたがカッキーさんの良いトレーニングになったので良しとしましょう(言い訳)。3日目も大谷不動を考えましたが、再び天候悪化の模様なので明日は尾白川へ。

上田市内のKYな某スーパーで夕食・仮眠し、一路南アへ。

  
  

 

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【アイスツアー＠尾白川】

アイスツアー＠神津牧場

2015年1月17日(土)～1月19日(月)　2泊3日

メンバー：CLビン(記)、アタル、カッキー、他1名

先週は足の痛みで不完全燃焼だったので、今週末は月曜も休みを取って
アイス強化合宿と意気込む・・・も？

行程1/17：6:00峰の原スキー場駐車場～9:45林道脇駐車場～11:30/14：30インディアンサマー広場～16:00林道脇駐車場～18:00上田道と川の駅

初日から大谷不動で前腕パンパンにするぜっ！！と意気込み、峰の原駐車場に到着するも結構な吹雪･･･本日で日帰りのメンバーも居るので、このまま大谷不動に行っても満足に登れずにひたすらアプローチでラッセル･･･ということで、神津牧場に転進する。

過去に2回神津牧場エリアに行ったことがあるが、その2回とも神津牧場脇の道路を進むアプローチ経由。今回は神津牧場側とは反対の林道経由での別アプローチ。途中の凍結した急坂を突破することができず、手前の駐車スペースから歩き。さすが『なんちゃってオフロード』エクストレイル(苦笑)・・・まあチェーン付ければ良いだけの話なんですが、メンドイ。さらに久しぶりなので、左手に谷を下降する明瞭なトレースを見逃し、大きく時間ロスしてようやくインディアンサマー広場に到着。

既に先着パーティーがシャイアン・アパッチにトップロープを張ってクライミング中。待ち時間にアタルさんがチェロッキーをトライするのでビレイのお供。アタルさんは今回新調したペツルの新スクリューを試用して登ってみる。最初の刺さりが抜群のようで軽さも文句なし。これは流行の予感？

その後、カッキーさん達が張りなおしたトップロープでアパッチにて遊ばしてもらう。明日の大谷不動の前に体をほぐして軽めに終了。本日帰郷のアタルさん達と駐車場で別れ、上田市の道の駅(？)で車中泊。近くに庶民の味方KY(カカクヤスク)なSEIYUもあり便利！！明日に備えて早めの就寝です。

 
   

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【アイスツアー＠大谷不動】

戸台

2015年1月10日(土)～12日(月)

メンバー：CLビン(記)、アタル、カッキー、マッソー、他1名

悪天により、MGCのほとんどの隊が敗退・撤退・転進を余儀なくされた年末山行からはや1週間。気分一新でアイスシーズンに突入するため足慣らしに1月最初の三連休は戸台に向かいました。

報告遅くね！？という意見は・・・あ～～ア～～、何も聞こえない(すっとぼけ)。

行程1/10：不明

本来なら3連休初日から入山予定でしたが、直前になり私用で初日CXL。ぐう。マツさん達3名は先に入山。

行程1/11：7:00戸台駐車場～9:30/10：00旧丹渓山荘～10:30舞姫の滝F1～11:30/16:00F3～17:00旧丹渓山荘

当初から二日目から合流予定だったマッソーさんと戸台手前の道の駅で合流し、戸台の駐車場へ。
今回、私は始めての戸台エリアでしたが駐車場の混雑ぶりにビックリ！もちろん、大半が仙丈・甲斐駒への登山者だとおもう(･･･と信じたい)。アイスエリアも結構な混雑が予想されました。

丹渓山荘までの道も踏み固められた高速道路トレースがバッチリ。早足でガンガン進みました。(→これが実は良くなかった･･･。)
丹渓山荘あたりでテントを張り、不用品をデポ。前日に来ているハズのマツさん達3人組を探す･･･ワケもなく(笑)、自分たちが登りたい場所へソソクサ。

本日は今シーズン最初のアイスなので、近場の舞姫の滝へ。F1取付手前から上部で人が登っているのが見える。どの滝に行ってもたぶん混んでいるだろうと諦め、F1からスタート。シーズン初めとはいえF1～2は簡単に済ませ、メインディッシュのF3に向かうと、聞きなれた声･･･偶然にもマツさん達3人組と合流成功でした。

先に3人組がF3左のラインを登っている間、待つだけなのも時間がもったいないので右ラインをリード。シャワーを浴びながら傾斜の強い中間部は、久しぶりのアイスということで腕もパンパン(笑)、しっかりドキドキと楽しさを満喫できました。

左のラインも･･･とおもったら、後続パーティーが到着したので左を譲る。マツさん達は他エリアへ。その後、右ラインをマッソーさんリード。まだまだアイスに不慣れな感じだが、がんばって登る･･･が、
少し時間がかかって、さらに別個のガイドパーティが待ち飽きているので途中で一度降りてもらう。まあ、こういうときは譲り合いが大事です。

大事MANブラザーズバンド風に言えば『堕ちないこと、落とさせないこと、挨拶すること、待たせないこと、他のひ～と～と登～るとき、それが～一番大事ぃ～』ってなかんじ。今クスッと笑った貴方は間違いなくオッサン。

ガイドパーティーが上に抜けた後、マッソーさんリード再開。ゆっくりでも、着実に登っているようで何よりでした。最後にトップロープでお互い筋トレ(？)して、本日は終了。

この連休、マツさん達がテントを張っていた旧丹渓山荘内はテントでスシ詰め状態だったらしく、夕食後は僕らのテントに転進(？)してきてちょっとした宴会でした。

行程1/12：6:00旧丹渓山荘～7:00七丈の滝沢F1～10:00F3取付～12:00F1取付～13:00/14:00舞鶴ルンゼ～16:30戸台駐車場

この日は、前日にウォーミングアップも済んだので七丈の滝沢でもいっちょやったるか･･･ということで朝早く出発。しかし、歩き出して足が痛む。昨日から右足が痛み、特にアイスで足を蹴りこむ動作が苦痛。

もともと、高所登山用(高所では足がむくむので)に、かなりサイズの大きいダブルブーツを履いているので、昨日のアプローチで普段のラッセルレベルではありえないスピードでガンガン歩いたため、内部の足が変に擦れて痛めたらしい。

F1はマッソーにリードをお願いする。Ⅳ-級ぐらい。その後の河原歩きで、七丈の滝も立派だが、左手に非常にかっこいい氷曝が見える。今年は戸台のアイスは当たり年らしく、完全な氷結が稀な『象の鼻』ルートが堂々と見える。これは是非登りたい･･･とおもいつつ七丈の滝へ。

七丈の滝F3は既に先行のガイドパーティーが取付いており、落氷に気をつけながら、F2をマッソーさんにリードしてもらう。F3は、下部から見るほど傾斜は強くなく、行けそうだな･･･とおもうも、相変わらず足が痛いので、大事を取って今回はこれ以上登るのは見合わせました。

同ルートを下降し、通りがかった舞鶴ルンゼでアタルさん達と日帰りで本日合流したガッツ溢れるカッキーさん達を発見し合流。戸台日帰りとかまあホンマ感心しますわ～。

しばらく遊んだあと(私は自重)、これまた長い道のりを歩いて駐車場まで。足の擦れた傷む部分に予備手袋を当てると痛みが消えました。

**********************総括*********************

やっぱり靴のサイズって大事ですな(笑)。

カナディアンロッキーよりその2：アイス&ミックスクライミング

2014/12/6-7

れい、ほか数人

アイスクライミングもままならない者ではありますが、せっかくカナダに来たからにはということで、キャンモア周辺でアイスクライミングとミックスクライミングをやってきました。

12/6 King Creek

キャンモアからカルガリーへ戻る方面にカジノのあるので、そこからカナナスキスの方に向かって約40分。大岩壁のそびえ立つマウントキッド(すごいんですが写真無いです、スミマセン。)を右手に見ながらそれを超えて確か5分くらいのところに車を停めるスペースがあった。アプローチは30分くらい。

 

12/7 Haffner Creek

キャンモアからバンフ方面?に走って約45分。アプローチは20分くらい。ここはアイスクライミングの他にもミックスクライミングのルートもあります。ミックスルートにはボルトがバッチリ。

M4くらいの簡単なルートを登らせてもらいましたが、とても楽しかったです。

ミックスを楽しむときのポイントは、

・アックスでホールドを探るときは下からピックを上に動かしながら滑らせていって、引っかかるところを見つける。

・岩に引っ掛けたアックスが滑ると自分の方向にアックスが吹っ飛んでくるので、顔に当たらないように顔や体の位置に注意。

・アイゼンの爪を引っ掛けたまま落ちると頭から落ちるのでこれまた注意。

・トップロープのビレイは常にキツメに。

・薄い氷にはアックスは強く打ち込まない、アイゼンで強く蹴りこまない。

などなど。

M8-9くらいのルートを登っていたのを初めてみましたが、超かっこよかったです。

 

 

 

八ヶ岳 裏同心ルンゼ

2014/12/7  メンバー：さくらだ(会員外)、あたる、たね（記

全ピッチリード。氷は所々薄い。
あたるさんからたくさんアドバイスをもらう。

上高地中千丈沢 Ｚ滝

２０１４．３．２２

ＣＬ：盛山(記）、松澤、松隈

今シーズンの締めくくりとして、行った事のないエリアにいってみた。
写真でみたＺ滝に一目惚れ、ぜひ登ってやろうとＺ滝狙いで入山。
おしくも途中でパンプして１テン、残念！
でも十分に楽しめました。

＜時間＞
坂巻温泉7:30－－釜トンネル－－9:00大正池－－中千丈沢出合9:15――10:00　Ｚ滝　15:30－－17:30坂巻温泉

 

＜情報＞
・アプローチ
①坂巻温泉駐車：宿に泊まれば釜トンネルまでの送迎があるらしい。駐車だけなら500円/日。駐車スペースは20台くらいだと思うが、結構混んでいた。
②沢渡駐車：初めはこちらを考えていた。沢渡からはタクシーかバス利用。沢渡駐車場は冬季は無料開放中。

・沢中の巻き
事前の情報で大岩の巻きがある事が分かっていたが、今回は左の簡単な方をチョイス。特に問題なし（ザイル不要）。
下山時に右を下降したが、一か所雪壁になっており、微妙な立木で懸垂した。降りてから見ると右ラインは登れそう（たぶんクライムダウンも可能）。

　

・雪状況
今回の時期はコンデションが良かったのか、雪もしまっておりワカンも必要なかった。そもそもトレースががっつりあり、とても楽をさせて頂いた。沢筋なので当然雪崩の可能性もあるが今回行ったときはまだデブリ等はなかった。最近暖かいのでドカッとくる可能性はあり。

・氷
かなり硬く、しっかりしていた。
さすがに午後は気温が上がって緩んではきたがコンデションとしてはかなり良かったと思う。
比較的に氷が安定しているエリアなのかなと感じた。

・エリア全体
アプローチが楽で、氷の種類が豊富なので初級～中級レベルでかなり遊べるエリアだと思う。天候が荒れても林道歩きで帰れるので、初心者を連れてくるのにも安心。

＜記録＞
坂巻温泉から凍った道路脇をつるつる滑りながら釜トンネル。

ﾄﾝﾈﾙは基本真っ暗なので、ヘッテン。
あまり気分はよくないですね。
釜トンネルって結構登り坂なんだね、初めて知りました。

林道は工事車両の為にしっかり除雪されており、快適な歩き。
途中から除雪道から外れるがトレースがガッツリあり、快適に歩いていると程なく大正池。
写真家さんがたくさん。
そこに交じって明らかにアイスクライマーがチラホラ・・・大盛況の予感。

トレースを進んでいくと明らかなトレースが分岐して沢筋に入っていく・・・間違えようがない。
トレースがなくとも雪で判りづらいが橋があるので、見逃すことはなさそう。

ちょこっと沢を歩くとサイドワンダーへの分岐らしきところ。
沢通しに歩くと傾斜が急になってきて、大岩。
ほほう、これが噂の右左に分かれる道ですな。
とりあえず簡単と言われる左から巻く。
先行パーティーも左から登っていた。
ここもトレースバッチリで普通に歩いていけた。
すぐに右のルートに合流して沢筋を歩く。

と程なく氷が出てくる・・・近っ。
で目的のＺ滝はどれかな～と明らかにありました。
う～ん、見事な『Ｚ』で。

先行パーティーがいたのでどうするか迷うがどこの滝もパーティーが入っているので、ここは初志貫徹ということでＺ滝で待つことに。

待ち時間にちょこっと他の滝も偵察。
なかなか『一角獣』が面白そうだ。

先行パーティはＪＥＣＣとぶなの会のメンバーでした。
当会に知り合いがいたらしく、ご挨拶。

ほどよく順番が回ってきたので、登らせて頂く。
今回はＺ滝は全てリードするつもりだったので、ささっとリードさせてもらう。
トポ上は３ピッチ（２０ｍ＋３０ｍ＋１０ｍ）だがＺの部分のみで５０ｍで行けるので、ダブルで登り、トップロープにすることに。
午後になって程良く柔らかくなって来ていたが、やっぱ硬い。
下部は弱点の凹角を突いて登る。
核心の上部はチムニー的に氷の間に挟まって登り、左にトラバースしてトップアウト。
このトラバースが結構恐ろしい。
この部分でびびって力を消耗して、最後の３ｍを登れずテンション・・・ナンテコッタ。
最後をヘロヘロと登り、立木で支点を作りトップロープにする。
上部に5ｍくらいの滝が見える（3ピッチ目）が・・・まあ登らなくて良いか。

その後２人も順調に登り、本日は終了。
当初の目的を果たしたので意気揚揚と帰路に着く。
日程的には1泊だけど、もう良いやってことで帰る。

アイスは今期の目標のブライダルベールは逃して、米子不動のアナコンダには手痛く叩き返されて、ちょっぴりしょんぼりでしたが、まあ終わりは良かったかな。
楽しめました。

　 　 　

　 　 　

八ヶ岳・石尊稜＆大同心大滝

2014年3月22～23日　前夜発一泊二日　天候：両日とも晴れ　気温：もうすぐ春ですね

メンバー：野島、増田（記）　　・・・敬称略　アイウエオ順

西穂高岳西尾根へ向かう予定だったのですが、現地が大雪との情報が飛び込み、出発の数時間前に八ヶ岳へと行き先を変更しました。

 

　3月22日

05:00赤岳山荘　～　06:30赤岳鉱泉　～　7:30石尊稜下部岩壁取付　～　12:00石尊峰　～　13:00地蔵尾根　～　15:00赤岳鉱泉

　初日は赤岳鉱泉をベースにして、石尊稜へ向かいました。

今シーズンは、まつど岳人から既に２隊が石尊稜へアタックしていますので、手短に報告致します。

　この日の八ヶ岳は“驚きの白さ”で我々を迎えてくれていました。

「ふぁ～っ！なんだか素敵ッ☆」とトキめいたのも初めのうちだけ。

白さの正体は、強烈な風が空気中の水分を岩に打ち付けて凍り付かせる現象、『エビのシッポ』です。

石尊稜の岩壁にも大量のエビフライが揚げられており、ボルトや残置支点を探すのに一苦労でした。

核心部と言われている下部岩壁こそ増田がリードしたものの、以降ツルベ式で交代リードしたノジさんに厄介なピッチが度々回ってくる不思議。

 　

 　

勇猛果敢に難所を突破していくノジさんの後を申し訳なさそうにフォローしていく増田の図式が確立していました。てへぺろり☆

　それにしても連休中の人気ルートという事で、石尊稜は大盛況でした。

幸か不幸か一番乗りしてしまった我々の後から続々とガイドさん引率のパーティがやって来て、プレッシャーがスバラシかったです。

　

“日曜夕方の小仏トンネル”気分の中、後続部隊をクライマーと思わずカボチャだと己に言い聞かせて前進する事に集中するクライミングが続きました。

　

　無風快晴の好条件に助けられ、無事に稜線に抜けてほぼ定刻通りに登攀を終える事が出来ました。

「次はアッチ（中山尾根）に行こう！」

石尊稜を手中に納め、逞しくなったノジさんの言葉。

その際は喜んでお供させて頂きます。

 

3月23日

07:00赤岳鉱泉　～　07:30大同心大滝　～　12:00赤岳鉱泉　～　13:00赤岳山荘

　二日目は三連休最終日という事で、大同心大滝でアイスクライミングをして早めに帰京する事にしました。

下界では春一番が吹き、ポカポカ陽気で各地のアイスエリアがシーズン終焉を迎えているので増田の中でも「もうアイスは終わりかな・・・」と思っていました。

しかし八ヶ岳のアイスはまだまだ門戸を開放してくれていました。アリガトウゴザイマス。

昨日岩場で足を引っ張りまくってくれた一本爪アイゼンが本来の力を発揮してくれる時がやってまいりました。

石尊稜で磨り減った刃もヤスリで研いで準備万端です。

　

　シッカリと踏み跡の残る大同心沢を詰めて30分。本日も一番乗りであります。

目の前にデデンと構える巨瀑の何と雄々しい事でしょう。

『あ・・・登れないカモ・・・』

高さ30ｍの氷瀑は下部の緩傾斜が雪で埋まっており、露出した垂直部が「さぁ、登れ！」と言わんばかりに立ち塞がっています。

一ヶ月以上ブランクがあってからのバーチカルアイスは精神衛生上ヨロシクありません。

中段の凹みにあるビレイポイントで一旦ピッチを切り、お豆腐メンタルに気合いを注入して大氷瀑に挑みます。

　

アックスも、アイゼンも、スクリューも、押入れに収まる事を拒んで今日という日を待っていたのです。

ここまで来たら、血に飢えた刃の切っ先を思う存分氷に突き刺すのみです。

 

　・・・・・・ダメでした。

道具はバッチリだったのですが、腕があっという間に弱音を吐いてしまい、テンションかけまくりのグダグダ登りになってしまいました。

今シーズンのアイスクライミング納めと思ってやって来た大同心大滝でしたが、跳ね返された事で来期に向けて良い発奮材料になったかと思います。

　

 

　両日共に好天に恵まれ、当初の予定から急遽変更したわりには充実した山行をする事出来ました。

懐の深い八ヶ岳大権現様に感謝です。

 

［今山行の核心部］

　行き帰りに“NEWノジカー”を運転させて頂きました。

新品ピカピカ、キーレス、オート4WD、ハンドルとかに何だか分からないボタンが沢山・・・などなど、まるで宇宙戦艦を運転しているようでした。

美濃戸口から赤岳山荘へ向かう悪路（Ⅴ級）では、幅狭の車道からハミ出して車の側面を傷つけないように気を配る“ストレニュアスなドライビング”が要求されました。（←一度使ってみたかったフレーズ。意味は知りません。）

谷川・一ノ沢左方ルンゼ

2014年2月22日(土)～23日(日)　1泊2日

メンバー：妹尾(記)

今シーズンの集大成として、谷川のとあるルートを
選んだが、その偵察と前哨戦として以前から
興味のあった一ノ沢・左方ルンゼに単独で入った。

23日行程･･･0:00富士河口湖町～11:00/11:30JR土合駅～
12:30一ノ倉沢出合～14:00JR土合駅～14:30道の駅

初日は目標ルートの偵察のみということで出発。
特に急ぐ必要もないので、高速代をケチって
河口湖～谷川まで、片道230kmぐらい下道(笑)。
毎年なので慣れたもんです。

土合駅から歩くも、天気が悪く案の定
一ノ沢出合はガスでほとんど視界なし。
視界のない中で雪崩を食らっても(しかも偵察で)
仕方ないので、さっさと引き返す。

道の駅は隣接するスーパーもあり、快適の一言。

24日行程･･･5:00道の駅～5:15/5:30JR土合駅～
6:30一ノ沢出合～8:00/8:30左方ルンゼ取付
～11:30F5上部雪壁～13:30/14:00左方ルンゼ取付
～15:30/17:30JR土合駅

いろいろ考え事しながら夜更かしして、
案の定ちょいと寝坊。
急いで準備して先を急ぐ。

先行が2パーティー。
一組は東尾根3人組、もう一組は･･･
どこかで見たツラと思いきや、
まつどの新人サン。今シーズントライ予定の
東尾根の偵察に律儀に来た模様。

この2パーティーを一ノ倉沢出合で追い抜き、
一番で一ノ沢出合に到着。
出合でハーネスなどの準備をしていると
単独で来た男性が先に抜いていった。
聞くと、どうやら同じ左方ルンゼに向かう模様。

先頭を行く単独の男性とウチの新人サンに
途中で追いつき、交代でラッセルして
左方ルンゼ取付に到着。
新人サンはシンセンのコルまで向かうので
ここでお別れ。

先に単独の男性がスタートで、すぐ後を追う。
先行の男性が落とす落氷が危ないので、
F2からは距離を開ける。

F1～F4までノーロープで二人とも登る。
時々80度くらいがワンポイントで
でてくるが、特に難しいこともない。

F4を抜けたところで、先行の男性が
F5に取付くのが見えた。
F5に近づくと、先行の方はなかなか手こずっている模様。
理由は簡単だ。氷がまったく張っていない。

ルンゼに申し訳程度にシュガースノーが
詰まっている程度で、短いながらも
傾斜が強いルンゼの抜け口にチョックストーンが
塞がっている。完全にドラツー課題。

しばらく先行の方をお茶でも飲みながら眺めていたが、
とうとう諦めてクライムダウンしてきたので、
先頭交代。

ルンゼに入ってルートを観察。
右側壁にグラついた残置ハーケン1本+シュリンゲ。
テストして、静荷重なら問題ないよう。
空身でザックにバックロープをつなげトライ開始。

シュリンゲに足を乗せ、そっと立ちこむと
チョックストーン上の氷(硬雪？)にアックスが刺さる。
左足が足ブラになるが、片手で強引に引き付けて
さらに奥の氷をアックスで捕らえずり上がる。

登りきったところでバックロープを引っ張り、
ザックを引き上げた。
先ほどの男性はどうするのだろう？
一瞬、上からロープを出すことも頭をよぎった。

でも、それはマナー違反かなとも。
谷川岳のアイスで、しかもソロで来るのだ。
お互い自分のスタイルを尊重すべきなのは
暗黙のルールだと思う。
それに自力で登れないなら、下降すれば
良いだけなので、そのまま先を進んだ。

そこから雪壁を進むが、シュガースノーに
苦しめられる。上部に行くと、とうとう
30cm程度の厚さしかなくなり、万事休す。
異なるラインからトライするが、時間がかかる。
80mほど登ったところで、これ以上進んでも
中間リッジ・東尾根・国境稜線と雪崩の危険に
わざわざ晒される必要もないので、
おとなしく同ルート下降する。

F4からはルート脇の潅木帯を下降。
藪ヤブしているが、支点は豊富。
無事に取付まで戻った。
F4～F2の右岸には、古いが一応支点がアリ。

ルート自体は技術的に簡単で、
天候さえ良ければ、新人サンを連れてきても
楽しいかなとおもいます。
何より、アイス～雪稜、稜線歩きなど
いろいろな区間を贅沢に登れるのが魅力。

今回は中間リッジまで抜けれませんでしたが、
次は中間リッジから国境稜線のご褒美を
歩きたいですね。

  
 

 

･･･ここからはルート報告から外れますが、
F5でアックス1本が残置しており、最初は追い抜いた男性が
忘れたのかと思い下降を続け、F2取付でさらに
アックス1本+GPSが落ち、疑問が確信にかわり、
ルート取付からさらに100ｍ以上一ノ沢を
下ったところに、先ほどの男性の遺体がありました。

先に遺体を見つけた、朝の東尾根3人組が
(途中で敗退、引き返してきて遺体を発見)佇んでいました。

墜落の瞬間を見ていないのであくまで推測になりますが、
遺体のロープの接続状況から見て、F5のフリーソロに
失敗し、F5～F1すべてを墜落、さらに取付から
100ｍ以上一ノ沢を滑落したようです。
残念ながら即死のようでした。

同じ日に同じルートを同じスタイルで登り、
かたや僕は、何事もなく無事に戻り、
今日も変哲もなく忙しく仕事に行き、週末の山行に
想いを馳せる。でもあの男性は2度と帰ってこなかった。

その差は何なのか？答えはまだ出ていません。

その他にも、いろいろ思うことはありますが、
それはまた別の機会に。

亡くなられた方のご冥福をお祈りします。